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議会質問・討論

宮城県議会議員 相沢光哉

第324回 定例会 平成21年9月5日 一般質問 
賛成討論

「新政権下での県政運営の課題について」
「原子内包フラーレンの実用化及び産業戦略について」

○議長(畠山和純君) 59番相沢光哉君。
〔59番 相沢光哉君登壇〕
◆59番(相沢光哉君) 通告に従い、順次質問いたします。
 大綱1点目は、新政権下での県政運営の課題についてお尋ねいたします。
 去る8月30日の第45回総選挙は、民主党308議席、自民党119議席と、民主大勝、自民惨敗に終わり、自民党は、1955年の結党以来半世紀余守ってきた第一党の座から転落、また、16年ぶりに政権政党としての地位を明け渡すこととなりました。前回の小泉旋風が吹き荒れた選挙を党県連役員として身近に体験したことを振り返ると、まさに4年前とは全く裏返しで、小選挙区制の怖さとともに、自民党をぶっつぶすと叫んだことが4年たって言葉どおりになったんだと、冷めた思いで感じております。
 産経新聞のコラムでは、有権者にとって、政権交代を掲げた民主は善玉で、既得権益にまみれた与党が悪玉に見えたのだろうという趣旨の指摘がありましたが、いずれにせよ、自民党の敗因は、残念ながら、長年にわたる与党のおごり、ここ歴代の首相初め重要閣僚の力量不足と不人気、国民の不信、不安を解消できなかった政策の誤りにあったことは否定できません。国民の審判が下った以上、自民党は真剣に自己改革に努め、国民の信頼を回復することに全力を尽くしていかなければなりません。野に下ったとはいえ、くじけず、あきらめず、立党の精神に立ち返って、我が国の安心と発展、特に、地方の安心と発展のために、全身全霊を傾注することを誓い合いたいと思います。
 さて、あすにも臨時国会で新しい首相が誕生し、新政権の発足へと移行しますが、村井知事にとっては、来月8日から2期目を目指す大切な知事選を控え、政権交代の影響は、直接間接、有形無形に大変大きいものと拝察いたします。私ども自由民主党・県民会議は、安藤会長を中心に、会派一丸となって、村井知事の再選実現に向け、県内各市町村の有権者に全力でその支持を訴えていく所存であります。
 知事選での公約、そして今後4年間の県政運営を展望しますと、新政権下での県政の課題や、村井知事の目指すビジョン、政策に関して、新しい状況と条件に照らし合わせて改めて検証し、再確認し、取捨選択の判断を要することと思います。
 そこで、一部は既に代表質問、一般質問で取り上げられてはおりますが、数項目に絞ってお尋ねいたします。  第1点は、国の補正予算の執行凍結と公共事業削減についてであります。
 マスコミ報道によれば、補正予算額15.3兆円のうち、凍結するもの8.3兆円、主な省庁として、厚労省関係2.52兆円、内閣府関係2.39兆円、国交省関係1.86兆円と報じられております。また、財務省の見積もりでは、執行停止などによる回収可能額は約5.9兆円と民主党に報告しております。
 知事は、これまでの答弁では、景気悪化につながらないよう十分配慮していただきたいと、印象として執行凍結も一部やむを得ないように受け取れましたが、県民生活に強く影響が及ぶ地方自治体分については、行政の継続性から見ても、執行停止には絶対反対し、百歩譲っても、自治体みずからの査定による一部削減にとどめるよう、知事会、地方6団体を通じて強く働きかけるべきと思いますが、知事の御所見を伺います。
 第2点、同じく補正予算で盛り込まれた46基金の総額4.36兆円についても、半分近くは地方自治体に振り込まれたものと言われておりますが、本県分としてはどのぐらいあるのか。執行済みと未執行額はいかほどか、凍結となった場合どのような問題が起こるか、お示しください。
 また、国の場合は基金造成を天下り法人に渡した金額が7,000億円あると批判されましたが、本県における類似のケースはあるのかどうか、お答えください。
 第3点、新政権の予算編成の司令塔として新設される国家戦略局では、来年度以降の複数年度予算化を進める方針を打ち出したと言われます。どの範囲までか不明ですが、年度末で使い切る税金のむだ遣いを防止することが目的のようです。厳しい予算執行で不用額を実質残すことに血眼になっている本県では、ぴんとこない話ですが、仮に地方にも適用された場合の課題と対応についてお伺いします。
 第4点、世はマニフェストばやり、今回の総選挙も、民主党が華々しく子ども手当、中学卒業まで一人当たり年31万2千円支給で5.3兆円、暫定税率の廃止2.5兆円、高速道路の無料化1.3兆円と打ち上げ、有権者の関心を引きつけました。一方、自民党が税財源の不確かさからネガティブキャンペーンを行ったことが有権者に不評で、逆効果だったとメディア調査で分析されました。担当者の某大学某教授は、有権者は良識を持って行動していると、能天気なコメントを発しています。マニフェストは数字や期限を明示することから信用されやすく、また誠実でごまかしがないと見えますが、裏づけの乏しい数字や内容を羅列すれば、ポピュリズム、大衆迎合政治そのものとなります。一方で、公表した数字は政策遂行上の制約となり、「一寸先は、やみ」の政治では、昨年来の世界同時不況を見るまでもなく、マニフェストそのものが吹っ飛んでしまうこともあります。
 知事は、知事選でマニフェストをつくることを約束されておりますが、その内容、表現には十分配慮すべきと考えます。マニフェストに対する御所見とあわせお尋ねいたします。
 第5点、民主党のマニフェストでは、中小企業対策として法人税率の軽減や自殺の大きな要因となっている連帯保証人制度について、廃止を含めあり方を検討するなど、見るべき政策もありますが、全国最低賃金を時給800円に設定、景気状況に配慮しながら時給1,000円を目指すと言っております。本県の雇用実態や中小企業の経営環境から見て、大きな問題が生じると懸念されますが、現状分析と見通しについてお聞かせください。
 第6点、知事は、かねてから道州制について積極的に取り組むことを表明し、明治維新以来の国家のフルモデルチェンジを目指すとしております。自民党のマニフェストに道州制の基本法制定後6-8年を目途に導入を図ると明示されたことを評価していると、一般質問の答弁でも明らかにしております。自治立法権、自治財政権、自治行政権のあり方を初め道州制の制度設計など多くの課題があり、詳しくは別の機会に改めて議論を深めたいと思いますが、端的に次の5点についてお尋ねいたします。
 1つ、知事の考えている道州制は、憲法改正を想定しているのか。2つ、都道府県制の十分な検証はしているのか。3つ、国と地方の関係での弊害や問題は、道州制でなければ解決できないのか。4つ、市町村が道州制に反対する理由はなぜなのか。5つ、道州制導入によって住民はより幸せに、また満足感を高めることができるのか。
 次に、大綱2点目、原子内包フラーレンの実用化と本県の産業戦略について伺います。
 原子内包フラーレンあるいはフラーレンという言葉は、本日この議場におられるほとんどの皆さんにとって、多分初めて聞くか、どこかで読んだかもしれないがよくわからない、耳なれない言葉であろうと思います。御安心ください。質問者の私も、つい数カ月前まで全く知らない言葉でした。しかし、一般質問で取り上げる以上、こてこての文系の私ではありますが、にわか仕込みながら一生懸命勉強した内容をお伝えし、御理解いただきたいと思いますので、知事、反問権は行使しないでください。
 さて、フラーレンは知らずとも、今日の最先端技術の一つであるナノテクノロジーとかカーボンナノチューブという言葉なら聞いたことがある、知っているという方が多くなると思います。ナノテク、あるいはナノサイエンスで言うナノとは、10億分の1を意味する言葉ですから、ナノメートル、記号では、アルファベット小文字のnm、数式では10のマイナス9乗と書き、1ナノメートルとは10億分の1メートルという極めて微小な大きさ、長さを指します。1ナノを実感するとすると、地球の直径を1メートルとしたとき、パチンコの玉の直径が1ナノメートルに当たります。万物の物質の最小の粒子と考えられていた原子の大きさは、10のマイナス10乗の大きさですから、ナノテクは超微細な世界で、原子や分子を操作し、加工応用する技術と言えます。それゆえに、これまでの常識では考えられなかった効果や作用がナノテクによって実現しつつあり、エレクトロニクス、バイオ、コンピューター、医療、エネルギーなど各分野における応用範囲は、日進月歩の勢いで広がっております。ナノテクの研究開発に不可欠なのは、ナノ素材と言われるナノサイズ材料そのもので、ナノチューブ、金属酸化物ナノ粒子、半導体ナノクリスタル等のほか、フラーレンが挙げられます。フラーレンとは、炭素原子がサッカーボール状に5角形・6角形の組み合わせで構成する球状、かご状の炭素分子で、フラーレンという言葉の由来は、5角形・6角形の組み合わせでドームを建設した建築家、マックミンスター・フラーの名前から来ています。
 1970年に、日本のフラーレン研究の先駆者であった大澤映二教授によって炭素原子60個のフラーレンC60の存在が予測されていました。しかし、数多くの科学者がフラーレンC60の抽出や製造にチャレンジしましたが、一定量以上の安定したレベルにはなかなか達せず、世の中の関心は、同じ炭素分子構造の中でもナノ素材としてよく耳にするカーボンナノチューブに移っていきました。ちなみに、原子番号6の炭素原子は、プラス電荷を持つ6個の陽子と電荷を持たない中性子とで構成される原子核の周りを陽子と同数でマイナス電荷を持つ電子が回っているという構造ですが、炭素はこの世に数多く存在し、電導性にすぐれ、他の分子との相性もよいため、ナノ素材としてはうってつけの物質と言われています。炭素原子が立体的にびっしり組み上がったものが、最も硬いダイヤモンド、炭素原子が面状に積層したのが、鉛筆のしんで見る黒鉛、グラファイト、炭素原子がサッカーボールのように球状につながったのがフラーレン、炭素原子が筒状につながった構造となるのがナノチューブ、そのほかにもさまざまな形態をとるカーボン結晶体が予測されていますが、まだ合成に成功しておりません。  もう少々説明におつき合いください。
 長く足踏みしていたフラーレン研究でしたが、我が国がブレークスルーを果たします。2002年9月に、宮城県仙台市に設立されたベンチャー企業、株式会社イデアルスターです。イデアルスターは、基礎研究や材料に強い東北大学の協力を得、同社技術陣のすぐれた発想と高い技術開発力によって、2004年から5年にかけ、炭素原子60個で構成されるフラーレンC60の内部、たった直径一ナノメートルの球状、かご状の中にリチウムやナトリウムなどの反応性の強い金属原子を閉じ込めること、すなわち、原子内包フラーレンをつくり出すことに成功、世界で初めてその実用化開発を完成させました。原子内包フラーレンは、カーボンと金属元素の電子移動効果によって、電導性や反応性が高まり、ナノ素材としての汎用性、特性にすぐれたものになります。有機・高分子エレクトロニクスを初め広い分野で貢献が期待される新材料に育っていくことは間違いありません。
 原子内包フラーレンは、他の高分子などと一緒に化繊のようにつくり込むことによって、繊維から布へ、つまり、加工しやすく、特性効果を上げることができ、例えば、有機薄膜太陽電池の発電効率を飛躍的に高めることができると言われております。地球環境の悪化で、低炭素社会へのスローガンが叫ばれ、炭素や炭酸ガスは悪者扱いされがちですが、次々登場する新炭素物質が地球環境問題を解決する救世主になりつつあるのは、自然と人間社会の皮肉なパラドックスと言えます。
 イデアルスターのスーパーアトム、原子内包フラーレンは、2006年5月、経済産業省の技術戦略マップ2006に位置づけられました。つまり、国がその研究開発の価値を認めたのです。また、世界に権威のあるイギリスの科学雑誌「ネイチャー」の2006年8月号には、東北大学の紹介とともに、イデアルスターが仙台市のナノ材料分野をリードする有望な企業として掲載されました。2009年、国の補正予算執行事業として経済産業省が所管したものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業)では、同社のリチウム内包フラーレンの収率向上及び誘導体化事業が採択され、約9,500万円の補助金を受けております。
 株式会社イデアルスターの笠間泰彦社長は、半導体や液晶デバイスプロセス技術を専門とする工学博士ですが、文学青年をほうふつさせるロマンティストの魅力ある若手経営者であります。笠間社長の人間性を理解していただくために、会社発足当時から掲げている三つの問いかけと、三つの誓いを紹介します。  三つの問いかけ。これから自分がやろうとしていることは、一つ、人間社会に新しい価値を生み出す可能性はあるのか。二つ、そのことを他の人ではなく、自分がやることに価値があるのか。三つ、曲がりなりにもそのことをやり遂げる道筋を描き得るのか。三つの誓い。人がいつまでもロマンティックであり続けるために、一つ、志を高く持つこと。二つ、どんなときでもあきらめず、目標達成のために最後まで最善を尽くすこと。三つ、人間を愛すること。
 笠間社長は、世界で初めて製造開発に成功した原子内包フラーレンを中心として、仙台、宮城、東北をナノテクのメッカにしたいという夢を持っています。社名のとおり、理想の星は既に誕生しております。その夢は、東北大学の支援、宮城県、仙台市など行政のバックアップ、意欲に満ちた中小企業の起業家など、産学官の協力によって、宮城のこの地に世界のナンバーワン、世界にオンリーワンのナノテク素材を生かした有機エレクトロニクス、高分子エレクトロニクスの産業集積と人材育成のメッカをつくり上げていこうという壮大な夢であります。私たちもその夢をともに語り、ザ ドリームズ カム トゥルー、その実現に向け力を合わせていこうではありませんか。
 以上、説明が大変長くなりましたが、以下、五点質問してまいります。
 第1点、村井知事は、宮城の将来ビジョン、富県宮城の実現の中で、重点的に振興する産業分野の一つに、育成・誘致による県内製造業の集積促進を掲げ、県内企業のグローバルビジネスの推進や宮城の飛躍を支える産業基盤の整備など、産業競争力の強化に取り組むことを基本方針としています。これまでセントラル自動車や東京エレクトロンの工場誘致など、自動車関連産業や高度電子機械産業が中心となってきましたが、原子内包フラーレンを中心としたナノテクノロジー分野に対しても、その特色を生かした新産業クラスター創成に向け、積極的な支援協力体制をつくり、本県の新たな産業戦略の柱に位置づけるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いします。
 また、これまでるる述べてきた原子内包フラーレンやナノテクに関しての御認識と御感想を聞かせください。
 第2点、イデアルスターの原子内包フラーレンの実用化には、東北大学の高度な基礎研究、応用技術の集積と迅速な対応が大きく貢献しております。本県の新たな産業戦略には、東北大学の存在と役割を無視することはできません。今までも産学官の交流はありましたが、東北大学は、既に国立大学法人として自立志向、競争原理、地域密着の度合いが高まっており、県や仙台市との連携強化は時代の要請にもなっているはずです。このような好機をとらえ、東北大学との恒常的な情報交換とトップ交流の機会を設けるとともに、新たな産業戦略として、地元東北大学の研究開発資産の積極的な活用や応用開発ベンチャーを含めた周辺産業の育成のために、協同で当たることを検討してみてはと思いますが、御所見を伺います。
 第3点、原子内包フラーレンの研究開発には、宮城県産業技術総合センターの技術支援がいろいろな局面で役立ったと聞いております。もちはもち屋として、県内における原子内包フラーレンを中心としたナノテク技術に対する知見や評価、将来性に対する見通しと課題、支援体制を強化する場合の提言等があれば、お聞かせください。
 なお、工業系試験研究機関は全国に六十七カ所ありますが、本県の産業技術総合センターは、東北六県中、人員、予算額とも四番目で、財政難とはいえ、県内総生産十兆円達成のために、もっともっと働いてもらわなければならない機関と思います。現状の課題と今後の見通しについてお伺いします。
 第4点、今年度の国の補正予算事業として産業経済省が募集・採択したものづくり中小企業試作開発等支援事業で、本県は採択された件数が20件、東北六県では一番多かったものの、愛知県223件は別格としても、岐阜県60件、三重県58件、富山県59件、広島県45件と比べ、2.3倍の差がありました。工業集積度の違いはあるとしても、申請希望企業の掘り出しや、申請内容が通りやすくするための事前の情報伝達などに関し、本県の対応が万全であったのか、懸念されるところです。全国の申請件数と採択件数、補助金総額と一件当たりの平均額及び宮城県の申請・採択状況についてお知らせください。
 第5点、ベンチャー企業が自立する前に陥りやすい死の谷は、設備資金、運転資金のつなぎにあり、製品化や商品化の前に、資金繰りがつかず、あえなく倒産するケースは数多くあります。県が出資している株式会社インテリジェント・コスモス研究機構は、基金運用の財テクで多額の損失をこうむるなど問題視されている一面がありますが、本来ベンチャー企業に対するインキュベーション機能を強化し、東北インコス時代からの設立目的である戦略的創造研究や最先端研究開発への金融支援などを積極的に行うべきと思います。県としての指導監督のあり方を含め、ICRの役割強化に向けた協議を持つことについて御見解をお示しください。
 以上で、壇上からの質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。

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