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議会質問・討論

宮城県議会議員 相沢光哉

第326回 定例会 平成22年3月17日 討論

「永住外国人への地方参政権付与の法制化に反対する意見書」
※この部分はインターネットのニコニコ動画でも見ることができます。

○議長(畠山和純君) 59番相沢光哉君。
    〔59番 相沢光哉君登壇〕
◆59番(相沢光哉君) 私は、自由民主党・県民会議を代表して、意見書第9号議案、永住外国人への地方参政権付与の法制化に反対する意見書に賛成の立場から採択を求め、討論いたします。
 本意見書は、宮城ビジョンの会を初めとする6団体から出された請願番号326の2、永住外国人へ地方参政権を付与する法案に反対する意見書を求めることについてに対応し、提出に至ったものであります。
 去る2月9日、全国都道府県議会議長会が主催する、永住外国人の地方参政権についての各政党との意見交換会が東京で開催されました。私もオブザーバーの1人として参加させていただきましたが、この会合は、全国都道府県議会議長会(略称、全議)が、さかのぼる1月21日、永住外国人への地方参政権付与の法制化議論に対する特別決議を発表したことに連動し、各政党代表と全議との意見交換会を公開開催としたものであります。
 その特別決議は、永住外国人への地方参政権の付与は、民主主義の根幹にかかわる問題であるとともに、とりわけ地方自治のあり方に重大な影響を及ぼす問題であるので、国会において拙速に法案提出や審議にかけることなく、今後、具体的な議論を始める場合には、国民の幅広い議論を喚起しつつ、地方の意見を十分に聞くよう強く求めるという趣旨の至極真っ当な、かつ本意見書案でも十分に参考にさせていただいた時宜を得た内容であったことは、議員諸兄のよく知るところであります。
 この意見交換会では、民主党、自由民主党、公明党、日本共産党、社会民主党、国民新党の順序で各政党代表がまず意見を述べ、その後、各都道府県議長との質疑応答に入りました。我が畠山議長が真っ先に口火を切り、みずから関与した洋上投票でいまだ地方参政権が行使できていない現状にも触れた、迫力あふれる質疑を行いました。
 6政党のうち、永住外国人への地方参政権付与に賛成の政党は、民主、公明、共産、社民の4政党、反対の政党は、自民、国民新党の2政党で、先ほど反対討論に立たれた遠藤いく子議員が所属する日本共産党は、永住外国人に選挙権と同様、被選挙権も与えるべしとの考えを表明しておりました。
 私は、この意見交換会で、改めて永住外国人の地方参政権問題が国論を二分する形で、進むか、とどまるかのぎりぎりの段階にまで達していることを実感しました。そして、政党所属の国会議員がすべて同じ考えとは言えないとしても、政党数の上では、促進政党の方が優位にあり、しかも政権政党がその中心にいることに、強い危機感を覚えるのであります。この種の法案は、いわば権利法案で、国際関係も絡むだけに、一たん認めてしまえば、後で不都合だからもとに戻すということが、事実上不可能であります。それだけに、地方参政権だからといって、主権国家の主権者である国民固有の権利を外国人にも譲り渡してしまうことが、日本の国の将来に、子供たちや孫たちにとって取り返しのつかない問題を引き起こしかねない。否、他国の事例から見て、間違いなく大きな禍根となることをはっきり認識し、そのような事態になることを思慮深く賢明な慎重さで絶対阻止しなければなりません。
 しかし、先ほど紹介したとおり、多くの政党は永住外国人に地方参政権を認めたがっておりますし、県民、国民も果たして本意見書のきっかけとなった請願者の方々のように、問題意識や危機感を共有しているのかどうか。私の周りの圧倒的に多い反対者ばかりではないことも冷静にうかがい知らなければならないのが現実であります。また、だからこそ、宮城県議会の多数の意見を集約する本意見書を採択して、国はもとより、広く県民に問題提起をすることに意義があるのであります。
 さて、先ほどの反対討論を踏まえ、推進派の人々は、何をよしとして永住外国人に地方参政権を付与すべしと考えているのかを検証していかなければなりません。限られた時間でありますので、主な論点を私なりに整理してみます。
 1つ、世界で地方参政権を認めている国は約40カ国に及び、国際化の潮流に日本が立ちおくれてはならない。2つ、これまで1500を超す地方自治体が永住外国人の地方参政権付与に賛成の意見書、決議を採択している。3つ、在日韓国人、朝鮮人は歴史的経過もあり、また納税もしているので、地方参政権は認めるべきだ。4つ、最高裁判決で、地方自治体レベルでの永住外国人への選挙権付与は憲法上禁止されておらず、国の立法政策にゆだねられているとしている。5つ、地域主権の立場から、永住外国人も住民として差別せず、日本社会の構成員として地方政治に参画させるべきだ。これら5つの論点に、請願理由に述べられた4点の論拠を含め、討論を続けてまいります。
 まず、第1点、外国人に地方参政権を認めている国は、世界約200カ国のうち、北欧諸国やEU加盟国が主で、その他の国々も地理的条件や旧連邦国家、旧宗主国、移民国家など歴史的経過を共有する関係にあり、決して世界の流れなどということはありません。EU諸国は、相互主義に立って、EU国民同士が地方参政権を認め合っていますが、フランス、ドイツは、その実現のために憲法改正を行っています。EU諸国の中で唯一、EU国民以外にも永住外国人の地方参政権を被選挙権を含め認めているのがオランダですが、現在、人口1,600万人のうち、約300万人が外国人で占められ、特に宗教、文化面で独自性が際立つイスラム教徒住民との摩擦は激しく、オランダ人富裕層の国外移住が顕在化するなど、「オランダの悲劇」と言われています。アジアでは、厳格な永住外国人の基準を設けている韓国が一応地方参政権を認めているだけで、他はすべて外国人に地方参政権を認めておりません。
 ちなみに、中国、北朝鮮、ベトナムでは、自国民すら自由な参政権は与えられていませんから、仮に、中国人、北朝鮮人の人たちが我が国で地方参政権を行使すれば、生まれて初めて選挙を経験することになります。これは悲劇でしょうか、喜劇でしょうか。
 自由の国、アメリカは、永住外国人に参政権を一切認めていません。欲しければ、国籍をとり、アメリカ市民になれということでしょう。アメリカの国籍法では、国民とは、国家に対して永久の忠誠義務を負う者と規定され、国籍取得時には、いざというときはアメリカのために銃をとって戦うことを宣誓させられます。
 結論として言えば、世界の潮流としては、外国人への参政権付与は、各国とも非常に警戒的であり、制限的であると見るべきでありましょう。
 第2点、これまで地方議会の多くが永住外国人の地方参政権付与に賛成の表明をしてきたことは事実であり、平成16年4月時点で、3,302自治体中1,519、約46%が賛成の意見書、決議を採択しております。先ほど遠藤議員が指摘したように、我が宮城県議会も、平成6年3月に、在日本大韓民国民団宮城県地方本部の請願を受ける形で、「定住外国人の地方参政権を確立することの意見書」を採択しております。当時、私自身もこの採択に加わっておりますので、今、責任の一端をじくじたる思いで感じておりますが、当時の状況は今日とは全く違って、特別永住外国人である民団の人たちの希望に沿って、ごく限定的、制限的な範囲で地方自治に参加してもらうことはよいのではないか。それがある意味で、歴史的経緯のある在日の人たちとの地域での融和策になるのではないかとの考え方が支配的であり、領土・国境問題への意識は極めて希薄で、まして憲法上の疑義はほとんどなかったに等しいものでありました。また、在日の人たちでも、北朝鮮出身者はむしろ地方参政権付与に反対で、朝鮮人同胞を日本国民に同化させるものと非難しておりました。全国の地方自治体が大阪府堺市議会などを皮切りに賛成を表明していったのも、これら民団の運動と連動していったものでありましょう。
 ありのままに言えば、自民党政権時代には、地方から何回意見書を出そうが、国会で野党が何回法案を出そうが、永住外国人の地方参政権法案は通りっこないと思われていたものが、民主党政権誕生によってにわかに現実味を帯びてきたことが、今日、国民の間で大きな危機感のうねりとなってあらわれ、全国議長会の決議に見るように、最近の意見書や決議が地方の声を十分に聞き、国は拙速に進めることのないように求める慎重論、反対論が一気にふえてきた証左であります。
 民主党は、衆院選のマニフェストで、この永住外国人地方参政権付与法案について、国民にその考えを問いかけておりません。何も公約もせず、国民も何ら負託をしていない法案を、政権をとったからといって実現しようとすることは、同様の動きがあった選択的夫婦別姓法案同様、民主主義のデュープロセスをみずから踏みにじり、国民を愚弄する暴挙であります。ましてや、小沢幹事長の韓国での発言や、赤松農水大臣の民団の新春パーティーでの発言は、まさに国を売る行為そのものと言って過言ではありません。
 第3点、在日韓国人、朝鮮人との関連は、これまで述べてきたように、本案件の出発点としては存在しましたが、今日、この問題の中心軸ではなくなっている感があります。すなわち、在日の人たちの処遇のための地方参政権というレベルを超え、日本の歴史・伝統・文化に根差す国柄や領土、安全保障を含む国益を考える上での近隣諸国との関係と、少子高齢化が進む我が国の将来図における外国人労働者や永住外国人との関係という二面が、この参政権問題の重要課題に変化してきていると考えられるからであります。
 まず、在日の人たちとの関係で言えば、韓国系、北朝鮮系合わせて現在42万人は、年々減少の一途をたどっており、参政権は帰化していただくことによって合法的、合理的に解決できます。納税していることは行政サービスの対価と考え、参政権付与の条件とはなりません。
 また、竹島や対馬、拉致問題など国家主権が対立する環境の中で地方参政権を付与した場合、例えば、これまで良好な関係であった民団と日本人社会が一気に感情的、扇動的な対立で激しさを増し、善隣関係が悪化するばかりでなく、有権者となった在日の人たちと、支持、不支持政党との関係が日本人の間に嫌悪感や蔑視を生み、結局はろくな結果にならないことが容易に想定されるのであります。
 問題は、在日の人たちよりも、一般永住外国人の中で急増している中国人であります。ここで詳しく論ずる時間はありませんが、永住外国人の在留資格要件が大幅に緩和されて以来、一般永住者は今日既に50万人を超え、その中で最大勢力が中国人です。北京オリンピックの聖火リレーで、全国の中国人の多くが長野に集結して政治的示威行動をとったことが記憶に新しいように、地方参政権問題は、いずれ中国人問題となることは必定であります。
 安全保障上の課題と外国人労働者の問題は、つまるところ、日本人がどう考え、どう行動するかにかかっています。主権国家とは、自分の国のことは自分たち国民が決めるということに尽きます。その民意を確認するために、選挙があるわけです。外国の思惑を気兼ねすることなく、外国人に口を挟ませない、みずからの責任で事をなしていく、その基本を守ることが何よりも大切であります。
 第四点、憲法解釈についてであります。
 本意見書では、地方参政権といえども外国人に付与することは、憲法第15条及び第93条の条文、及び平成7年2月、同12年4月の最高裁判決によって憲法違反であり、どうしても認めたいのであれば、憲法改正を要するとはっきり述べております。反対討論の遠藤議員のみならず、推進派の人々は、最高裁判決が外国人への参政権付与を認めている根拠として、平成7年2月の最高裁判決の傍論部分を必ず挙げるのですが、傍論は、判決の主文、本論の結論とは直接関係のない、単なる裁判官の意見表明にすぎず、判例としての効力は全く持ちません。つまり、両判決とも主文は上告棄却であり、憲法が選挙権を保障しているのは日本国民であり、在留する外国人には及ばないこと、住民とは地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味すると解するのが相当と、裁判官全員一致の意見としている主文をもってすれば、主文以外に根拠を求めることは無意味であります。
 繰り返しますが、現状での法制化は憲法違反であり、強行するのであれば、フランス、ドイツのように憲法改正をして臨まなければなりません。
 なお、平成7年2月の最高裁判決の傍論部分にかかわった園部逸夫元最高裁判事は、退官後、朝日新聞や産経新聞の取材を受け、在日韓国人、朝鮮人をなだめる意味での政治的配慮があったことをみずから語り、一般永住外国人を想定したことは全くなく、「あり得ることではない」とも述べています。
 また、国政レベルは無理としても、地方選挙権なら特別永住者に認めてもよいとする、いわゆる部分的許容説を提唱した中央大学の長尾一紘教授も、今日、はっきりと、外国人参政権は地方選挙権も違憲と、みずから誤りを認めております。
 なお、園部元判事が「日本自治体法務研究」という本の中で、「傍論は主観的な批判にすぎず、判例の評価という点では法の世界から離れた俗論である」と、みずから戒めるかのような記述をしていることも紹介しておきます。
 論点の第5点は、これまで述べてきた観点から類推願いたいと思いますが、地域に住む外国人のさまざまなニーズに耳を傾け、できるだけ対策を講じること、日本社会の構成員として住民として取り扱うことは大切でありますが、選挙権を与えることは、国民主権の上から全く次元の違う話であり、差別ではないことを付言しておきます。
 なお、反対討論で指摘のあった意見書が議会の満場一致に基づくものではないことについては、原則はそれが望ましいものの、本県議会での過去の事例では、前定例会での、国として直接地方の要望等を聴く仕組みを保障することを求める意見書を初め教育基本法の早期改正を求める意見書、防衛庁の昇格に関する意見書など、少なからずあることを指摘しておきます。
 これまでるる述べてきた論旨論点を短くまとめれば、国家とは政治的運命共同体であり、我が国の運命に責任を持つのは我々日本人であります。我が国の運命に責任を持たず、本国に忠誠を誓っている外国人に、国政と密接な関係を持つ地方政治の場に参加させることは極めて危険であり、将来大きな禍根を残すことになり、断じて認めることはできません。
 本日、議場におられる議員諸兄各位の洞察力のある賢明な御判断で、本意見書に賛成賜り採択いただけますよう、心からお願い申し上げます。
 最後に、日本人と外国人、日本と近隣諸国の関係のあるべき姿について、武者小路実篤の言葉を引用させていただいて、討論を閉じたいと思います。
 「君は君 我は我也 されど仲よき」
 御清聴ありがとうございました。
○議長(畠山和純君) 以上で、討論を終結いたします。
 これより採決いたします。
 意見書第九号議案を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(畠山和純君) 起立多数であります。
 よって、意見書第九号議案は、原案のとおり可決されました。

意見書第八号議案
 永住外国人への地方参政権付与の法制化に反対する意見書

 今国会に提出の動きがあった永住外国人への地方参政権付与に関する法案は、政府・与党内の調整遅れで先送りの模様となったが、主要幹部の発言によれば、決して今後の提出を断念したものではないことは明らかである。
 現在、我が国には特別永住外国人と一般永住外国人が合わせて約91万人おり、特に後者は着実に増加している。グローバル化の今日、地域社会において永住外国人と良好な関係を築き共生を図ることは大切であるが、主権国家として、いかに地方自治の範囲とはいえ永住外国人に参政権を認めることは憲法違反であり、どうしても認めたいのであれば、憲法改正をしなければならない。
 憲法第15条1項に「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と明記し、第93条2項に「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」と規定していることは、選挙が国民主権の原理の根幹をなし、我が国の民主主義の基本にあることを示しているからに他ならない。
 これまで、いわゆる永住外国人の地方参政権訴訟において、最高裁判決が平成7年2月、平成12年4月の2回にわたって、「憲法が選挙権を保障しているのは日本国民のみで、その保障は在留する外国人には及ばない」、「地方選挙も同様で、第93条2項の住民とは日本国民を意味するものと解するのが相当である」ことを裁判官全員一致の意見としていることは、極めて重要である。
 また、永住外国人への地方参政権の付与は、とりわけ地方自治のあり方に重大な影響を及ぼす問題であり、さらに、地方であっても国益や領土など安全保障上の国策と密接な関係にある課題も少なくない。
 これらのことから、永住外国人への地方参政権の付与については、国会において拙速に法案提出や審議に入る以前に、十分憲法上の観点を吟味し、地方の意見を重視し、幅広く国民の議論を喚起すべきである。
 よって、国においては、これらの条件を解決しないまま、永住外国人に対する地方参政権付与に関する法律を制定することのないよう、強く要望する。
 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成22年3月
    宮城県議会議長  畠山和純
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 内閣法第九条の第1順位指定大臣(副総理)
 総務大臣
 法務大臣
  あて

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