皆様と一緒に宮城県の未来を考える・・・自由民主党・宮城県議会議員・相沢みつやのHPです 
トップページへ 新着情報 プロフィール 基本理念 政策 活動内容 論説 一般質問・討論 メッセージ
議会質問・討論

宮城県議会議員 相沢光哉

第337回 定例会 平成24年6月28日 一般質問

@いのちを守る森の防潮堤について
A地域医療と自治体病院のあり方について
B慶長遣欧使節400年記念事業について

相沢みつや県議は、平成23年11月13日の県議会選挙で6期目の当選を果たして以来、 別項の「いのちを守る森の防潮堤」推進議員連盟の発足に尽力し、 議連会長に就任するなど、エネルギッシュな活躍を続けておりますが、 6月県議会定例会の一般質問で、大綱3項目について村井知事はじめ執行部の見解を問いただしました。

以下、質問と答弁の詳細を掲載しましたので、ご一読いただければ幸いです。
(以下議事録へ)

○議長(中村 功君)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑、質問を継続いたします。56番相沢光哉君。

  [56番 相沢光哉君登壇]

◆56番(相沢光哉君)
 通告に従い、質問いたします。

 大綱一点目は、いのちを守る森の防潮堤についてであります。

 東日本大震災から、はや1年3カ月が過ぎました。あの未曾有の大災害から今日まで、国、地方を挙げて、復旧・復興に向け懸命の努力を重ねてきておりますが、大津波の被害が甚大だった沿岸部は1メートル前後の地盤沈下によって、広範囲なかさ上げを実施しないと従前の機能が回復せず、地域産業再建への道筋は依然として不透明であります。
 また、発災当初、県内発生量1820万トン、うち県受託分1107万トンと見込まれた震災瓦れきは、1年を経過して、その推定量が大幅に圧縮され、県受託分は、431万トン減の676万トンとなり、広域処理による焼却を加えると、予定どおり平成26年3月末までにすべての震災瓦れきの処理は完了する見通しとなるようであります。しかし、総額5000億円に及ぶ巨費を投じての焼却処理というスキーム、発災後1年での処理量が全体のわずか12%台であったという処理スピードのおくれ、瓦れきの山の放置による被災住民へのさまざまな悪影響、広域処理が誘発した放射能汚染をめぐる住民感情のあつれきと風評被害の拡大などを考えますと、阪神大震災のときと大きく変わった今回の震災瓦れきの処理方式が本当に正しかったのかどうか、大いに疑問を感じるところであります。
 一方、大津波対策として、国土交通省によって打ち出された海岸堤防の整備事業は、東日本大震災クラスの巨大津波は頻度は高くないとし、頻度の高い津波、例えば、明治、昭和の両三陸津波やチリ津波を防ぐ対策として、仙台湾平野部では最高7.2メートル、三陸沿岸部では最高11.4メートルのコンクリート製の堤防を築くとされており、今回、引き波によって堤防基部が破壊された教訓から、海側と同じく、陸側も同程度の仕様で幅広く強固なものにするようであります。そのため、断面図では、頂上部幅4メートル、底辺部幅約40メートルの多大な構造物が、あたかも万里の長城のごとく太平洋に面する我が宮城県の海岸沿いに連なることになります。7.2メートル、11.4メートルという高さは、樹木の高さであればなんら違和感はありませんが、人工構造物が城壁のように高くそびえ立ち、海も海岸線もふさいでしまう存在となれば、景観上はもとより、海と陸の自然環境を一変させ、海で生計を立てる漁師は難渋し、砂浜で波とたわむれる子供たちの姿は見られなくなることでしょう。
 本県の海岸堤防・護岸延長は約160キロメートルと言われます。これまでも10メートル以上の防波堤が設置されていた港はありましたが、今回の大震災ですべて破壊され尽くされました。今後、国交省が進める海岸堤防を多重防御の一環として必要とする地域はあって当然でしょうが、すべて自然の猛威に対して人工物で対抗するという発想はいかがなものでしょうか。
 私が横浜国立大学名誉教授、宮脇昭氏のいのちを守る森の防潮堤の理論と実践を知ったのは、震災から半年後ごろ、地元紙に投稿された輪王寺住職、日置道隆氏のコラムを読んだのがきっかけでした。土地本来の樹木で緑の防潮堤を瓦れきを有効活用し、自然と共生という内容は、一読して合点がいくだけでなく、胸が震える感動を覚えました。改選後の県議会で賛同者が広がり、2月議会では、今野隆吉議員、藤倉和格議員が一般質問で取り上げました。そして、2月議会最終日の3月16日、政策議連としてはこれまでに例がなかったと思いますが、全会派全議員の参加をいただき、いのちを守る森の防潮堤推進議員連盟が発足いたしました。改めて、満場の議員諸兄に心から感謝申し上げます。
 議連発足後、復興庁、環境省、国土交通省、林野庁等への陳情活動、宮脇昭氏を招いての研修会開催、国会議員有志との意見交換会、岩沼市での千年希望の丘植樹会への参加、日本会議を通じての与野党国会議員への働きかけなどを積極的に行った結果、いのちを守る森の防潮堤のコンセプトが広く理解され始めました。もとより、提唱者である宮脇昭氏のエネルギッシュは御努力が強く功を奏したものですが、3月中旬に、野田総理、細野環境大臣が相次いで、防潮林などの基盤に瓦れきを活用することを認めたいと前向きな発言をいたしました。そして、6月8日、環境省廃棄物・リサイクル対策部がそれまで埋め立てに使ってはいけないと厳しく禁止してきた木質瓦れきのうち、流木、倒木等の丸太を一定条件のもとで、防潮堤の基盤材として埋め立てに使ってもよいと認める画期的な判断を同省通知で示しました。この一連の国、省庁の動きは、明らかに被災県である本県民の要望を酌み取ったものであり、我田引水の批判は出るかもしれませんが、宮城県議会59名全員で行ってきた運動がそれなりの役割を果たした成果と見ることができると思います。しかし、一山超えればまた一山で、震災瓦れきを活用して、いのちを守る森の防潮堤を推進していくためには、防潮堤の壁より厚い行政の壁、法律の壁、予算の壁を乗り越えていかなければなりません。
 そこで、以下、数点、重要な課題について、気合いを込めて知事にお伺いしてまいります。

 第一点。いのちを守る森の防潮堤構想のポイントは、災害廃棄物の瓦れきを焼かずに盛り土の基盤材として使っていくことにあります。現実には、コンクリートがらと、今般一定条件で使用が認められた丸太類が中心となると思われますが、さきに触れたように、総処理量が大幅に減少していく中で、従来どおりの焼却処理、あるいは可燃系のリサイクルの数量を保持する方向であるならば、最終処分場での埋立処分ではなく、盛り土基盤材としての埋め立てに回せる瓦れきはどのぐらいあるのか、種類ごとの数量の見込みをお示しください。

 第二点。沿岸部の防潮堤基盤材として特定の場所が選定され、瓦れきの埋め立てが始められるとした場合、当然これまでのスキームを変更する必要が生じますが、事業主体が、一つ、市町の場合、二つ、県の場合、それぞれのケースでどのような行政手段や事務事業の見直しが想定されますか。また、その際、支障となりやすい要素はどのようなものが考えられますか。

 第三点。広域処理量は、当初の354万トンから227万トン減って127万トンと見込まれております。さきに北九州市が石巻市の瓦れき7万トンを8月から受け入れることを正式表明いたしました。西日本の自治体で初の受け入れであります。
 毎日瓦れきの山と直面している石巻市民の苦悩を一日でも早く解消することができればとの思いは痛いほどわかり、ありがたいと思いますが、迅速な処理という方法論で言えば、丸一カ月おいて8月からという広域処理のテンポはもっと早くならないのでしょうか。また、国が負担するからといって、多額の輸送費をかけることは、強い批判があります。放射能への安全性はしっかり確保されているのに、一部プロ市民の動きもあるのかどうかよくわかりませんが、市民の風評被害、健康被害への懸念の伝播は極めて強いものがあります。
 県は、依然として広域処理が必要な状況に変わりないとしていますが、瓦れきの山を一日も早くなくすことと広域処理を進めることが、唯一正当かつ有効な選択肢であるとは現状からはとても思えないのであります。むしろ、原点に立ち返って、瓦れきを迅速に処理するためには、有害物質を除去した地球資源の瓦れきを盛り土の基盤材として埋め立て、自然の森をつくりながら、焼かずに自然に返す方法こそ正論であると思います。
 広域処理については、立場立場と時間的経緯の中で一刀両断の結論を下すことは難しいことではありますが、知事は、現状と今後の展望を考えて、なるべく早い時期に、域内での迅速な処理の確保を前提に広域処理の見直しを表明すべきと考えますが、いかがですか。

 第四点。いのちを守る森の防潮堤は、その土地に潜在的に自生してきたタブノキやシイノキなどの広葉樹の苗木を植え、植物自身の成長力によって密生した森を維持管理費をかけずにつくり上げていくことに特徴があります。一方、国は、海岸堤防の設備を極力推進する姿勢にあり、特に仙台市から山元町にかけての太平洋岸は国直轄事業で取り組む方針であります。知事は、ぜひ沿岸自治体の首長と早急に協議して、海岸堤防と森の防潮堤づくりが機能補完を図れるよう、例えば、双方の利点を活かす(仮称)ハイブリッド工法の検討を進めてはどうかと考えますが、いかがですか。
 現在、東北において森の防潮堤のコンセプトを活かそうとしている自治体は、岩沼市の千年希望の丘と岩手県大槌町の鎮魂の森の二つであります。民間では、トヨタ自動車は15年前からトヨタの森づくりを進め、横浜ゴムは千年の杜プロジェクトで国内外18の生産拠点に50万本の苗木を植えております。東日本大震災で最大の被害を受けた本県の知事として、せっかく国が宮脇プロジェクトに理解を示しつつある今日、ぜひ積極果敢にソフト防潮堤の設備に取り組んでいただきたいと思います。ご決意をお聞かせください。

 第五点。環境省廃棄物・リサイクル対策部の最新の指針は、自然木、木くず等の造成地での活用を認める画期的なものでありますが、一方、後段で、埋立丸太等が腐朽によってガスを発生したり、不同沈下や陥没するおそれがあるとして、公園緑地への利用者の立入禁止を求めています。宮脇氏は、木質瓦れきを埋めたことによるメタンガス発生は机上の理論で、ゆっくり分解される木質資源は有機肥料であり、根がすき間部分に伸び酸素を吸収していくので、全く問題がない。陥没もほとんど無視していいと述べています。
 そこで伺います。
 一体、ガス発生や不同沈下、陥没はどのような科学的知見に基づくのか、国にその根拠を求めてほしいと思います。
 また、利用者の立入禁止は官僚の筆が滑り過ぎた表現であり、せいぜい注意喚起程度の範囲にとどめるべきと思いますので、しかるべき機会に照会を求めて再確認を願います。

 第六点。森の防潮堤は、コンクリートの防潮堤が津波をはね返すことをコンセプトにしたハードな完全防災であるのに対し、津波を完全に防ぐことはできないが、そのパワーを減少させて、減災を旨とするソフトな防災であります。つまり、土木工学的な構造計算に基づく人工構造物ではありません。強固な人工構造物は、一見頼りがいがあるように見えますが、それが物の見事に裏切られたのが、今回の大震災です。自然は脅威だからといって、すべてシャットアウトすることはできません。一方、自然は人類に恩恵を与えてくれます。海は、荒ぶる海であると同時に、豊かな恵みの海でもあるからです。そして、これまで日本では、鎮守の森を神の鎮まる聖域として大切にしてきました。自然との共生を図りながら防災を考えていく。生きているものの命を守り、亡き人々の鎮魂を祈る。日本古来の考え方に立脚したいのちを守る森の防潮堤構想は、我が国が、我が宮城県が世界に発信できる世界モデルの一つになると思います。
 宮脇昭氏は、近く天皇陛下の御進講に臨まれると聞いております。生態学にお詳しい陛下が森の防潮堤のお話に耳を傾けられる。おそれ多いことではありますが、どんなにか大御心の琴線に触れられることでありましょうか。
 被災県からの発信として知事の役割は極めて大きいものがあります。これまでの既成概念や法律や制度を超え、村井知事が、このような時代だからこそ、日本を変え、世界を変えていただきたいと心から切望いたします。
 19世紀のイギリスの詩人で、近代詩の先駆者と言われるジェラード・ホプキンズは、このように語っております。
 「私のなすことが私である。私はそのために生まれてきたのだ。」
 改めて、いのちを守る森の防潮堤について、知事の思慮深く勇気あふれる御答弁をお聞かせ願いたいと思います。

 次に、大綱二点目、地域医療と自治体病院のあり方について伺います。

 ここ十数年来、宮城県の地域医療は、医師の絶対数不足と医師の地域偏在、診療科偏在によって、仙台医療圏とそれ以外の医療圏との格差がますます進み、医療の過疎化の弊害が深刻な状況でありましたが、昨年の東日本大震災で、沿岸部の代表的な公的病院である石巻市立病院や志津川病院の壊滅的な被害が加わり、本県の地域医療崩壊は取り返しのつかない事態に追い込まれていると言って過言ではありません。医師不足、診療科の偏在は、地域住民が医療保険料を同じように支払っているのに、都市部と同等の医療を受けられないことを意味し、それは、死亡率の地域差となってはっきりあらわれています。例えば、平成20年のデータで、周産期死亡率では、仙台医療圏が出産1000人に対し3.6であるのに、登米医療圏は6.5、乳児死亡率でも、仙台医療圏が出産1000人に対し1.9であるのに、栗原医療圏は4.6という状況であります。県内には18の運営主体による29の自治体病院がありますが、仙台市を除くすべての自治体病院は医師不足に悩んでいます。公的病院は僻地医療や救急医療など不採算の政策医療が多いため、どうしても赤字体質になります。医師一人当たりの病院医療収入が年間約1億円前後と言われている状況から、医師不足は即座に医療収入減につながり、経費節減が福利厚生費や諸手当の削減を生み、医師が去り、看護師がやめ、残った人たちが過重労働を課せられ、燃え尽き症候群の悪循環に陥ります。
 県は、これまでもこれら自治体病院の苦しい経営をサポートするため、医師を県職員として採用して自治体病院に派遣する宮城県ドクターバンク事業や地域医療医師登録紹介事業、ドクターキューピットと言われる医学部学生への修学資金貸付制度など、あの手この手の支援策を講じていますが、どうしても対症療法的なもので、十分なものとはなっておりません。また、県は、平成25年から5年間の第六次宮城県地域医療計画を策定中ですが、大震災後の第二期地域医療再生計画や地域医療復興計画の策定や目標設定などふくそうする状況の中で、どこまでこれらの重い課題への打開策を打ち出せるものか、不透明の感を否めません。
 このようなとき、宮城県対がん協会会長で元県病院事業管理者、宮城県医療顧問の久道茂氏が、「地域医療をどう復興させるか−医師の地域偏在の解消策−」提案という提言を小冊子にまとめられました。私自身、昨年秋に直接その構想を聞いて、大変有意義な提案と感じましたので、ここで簡単にその内容を御紹介いたします。
 久道プランによれば、県内の各自治体が同じ地域で診察料を重複させたり医師の取り合いをしたり、必要なときに迅速な応援体制がとれないのは、運営組織が別々であるからであるので、仙台市立病院と県立病院を除く28の自治体病院を統合し、一つの運営主体(仮称)地方独立行政法人宮城県自治体病院機構として一元化させ、機構理事長のもとで、人事、医師の派遣、患者の移送、高額医療機械の拠点化、医薬品や資材購入の一元化、自治体負担金の平準化など、スケールメリットと合理化を追求することによって、医師不足と診療科偏在の解消を確実に図るとしております。また、各自治体を代表する知事、首長との緊密な連携体制のもとで、東北大学医学部、県医師会等との協議機関を設けるなど、民主的かつ効率的な機構運営によって諸課題の解決と事業円滑化に努め、地域医療と県民福祉の向上に益することができるものとしております。
 そこで伺います。

 第一問。知事は、(仮称)地方独立行政法人宮城県自治体病院機構の構想をどう評価されますか。また、その実現を図るとしたら、どのようなステップで検討を重ね、何年ぐらいの目標と考えますか。

 第二問。この種の従来の枠組みを大きく変更し、県と各市町、各自治体間の利害調整を大胆に進めていくことは、さまざまな抵抗や問題が噴出するものと思われます。しかし、このまま地方の格差が進み、地域医療がにっちもさっちもいかなくなる前に抜本的な組織改編を促すことは、知事としての重要な仕事であり役割であろうと思います。久道プランを一つのひな形に、県として、各自治体と一体になって具体的な検討に踏み込む意思決定を期待いたしますが、いかがですか。

 第三問。国は、既に国立大学や国立病院の独立法人化や独立法人機構への組織がえを行っています。本件に関し、厚生労働省の見解や他都道府県の状況などわかれば、お示しください。

 第四問。被災地の病院から医師や看護師が外部や県外に流出している深刻な状況にあると聞いております。そのようなことを防ぐためにも新しい仕組みをつくる必要があると思いますが、被災自治体病院の現状はどうなっているか、具体的にお示しください。

 最後に、大綱三点目、慶長遣欧使節400年記念事業について伺います。

 来年2013年は、仙台藩主伊達政宗公が支倉常長と宣教師ルイス・ソテロを大使として、遠くスペイン国王とローマ教皇のもとに慶長遣欧使節を派遣した慶長18年、1613年から数えちょうど400年に当たります。足かけ7年余りの歳月を費やした支倉常長の懸命の努力は、ミッションとしては不成功に終わりましたが、太平洋を少なくとも二往復したガレオン船サン・ファン・バウティスタ号を建造させ、ノピスパニア、スペイン、ローマに宣教師派遣と通商を迫った奥州王伊達政宗公の豪胆な構想力と実行力、そして、外交、内政両面を駆使した周到な智謀戦略は、400年たっても色あせないスケールの大きさと国際性を語りかけています。
 東日本大震災があって改めて認識させられたのは、遣欧使節派遣の2年前の慶長16年、1611年に、今回の震災と同様の慶長大津波が仙台藩の沿岸部を襲い、甚大な被害を及ぼしたとのことです。そして、その直後に、政宗公の命により、後の貞山堀につながる木曳堀の建設が始まり、更に、後藤寿安、川村孫兵衛による北上川河口のつけかえ工事によって石巻港建設という、現代で言う復興工事が着手されていったという経緯をたどります。このように、400年前の慶長遣欧使節は、大震災を乗り越える沿岸部整備のプロジェクトと軌を一にして行われたとも考えられ、400年記念事業の今日的意義が一層深められるものと思います。
 そこで数点お伺いします。

 第一に、月の浦出帆の10月28日を中心に明年から開始される慶長遣欧使節400年記念事業は、メキシコ、スペイン、フランス、イタリアなど世界各国との歴史的関連の広がりの大きさや、震災復興と観光振興の多角的な特色を生かす意味で、本県における一大キャンペーン事業と位置づけ、一過性の記念式典にとどまらない事業内容と予算規模で臨むべきと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。また、現在、計画されている記念事業があれば、主なものをお示しください。

 第二に、仙台市博物館所蔵の慶長遣欧使節関連資料などの国宝は、ユネスコ世界記憶遺産へ登録申請を行っていると聞いております。その見通しと、新たに設けられる世界記憶遺産制度についてお聞かせください。

 第三に、拠点となるサン・ファン館は、昨年の大震災で係留していたサン・ファン・バウティスタ号のマストが破損するなど、施設の損壊が大きかったが、現状の修復はどこまで進んでいるのか。施設全体のリニューアルはどのように考えているのか、お示しください。

 第四に、来年は仙台・宮城デスティネーションキャンペーンが行われますが、400年記念事業とのコラボレーションはどのように図られるのか、お伺いします。

 第五に、慶長遣欧使節の物語は、史実をたどってみても、日本人がヨーロッパと本格的なつながりを持った初めての歴史的事象であります。展開された世界各国の舞台、政宗、常長を初めとする登場人物は極めてドラマチックで、戦国時代から鎖国への転換期にひときわ光彩を放つ存在であります。本県ゆかりのNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」、「樅の木は残った」に続くすぐれた題材として、知事を先頭に、その実現を図る運動を展開すべきと考えます。知事の御所見をお伺いします。

 以上で、檀上からの質問を終わります。
 御清聴まことにありがとうございました。

○議長(中村 功君)
 知事村井嘉浩君。

  [知事 村井嘉浩君登壇]

◆知事(村井嘉浩君)
 相沢光哉議員の一般質問にお答えをいたします。大綱三点でございました。

 まず、大綱一点目、いのちを守る森の防潮堤についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、広域処理の見直しについてのお尋ねにお答えをいたします。
 県では、災害廃棄物について、これまで県内処理の拡大に努めてきたところではあります。しかしながら、今回発生した量が余りにも膨大であったことから、平成26年3月までに処理を完了するためには、仮設焼却炉をフル稼働いたしましても、可燃性廃棄物すべてを県内で焼却することは困難であります。また、再生利用につきましては、県内の受け入れ先が限られていること、埋立処分については、県内の処分場の容量に余裕がないことから、県内のみでは処理を完結できない状況であります。このため、処理対象量の見直し後におきましても、依然として114万トンの広域処理をお願いしていかざる得ない状況となっております。今後とも、復興資材としての再生利用を図りながら、県内処理の拡大に努めるとともに、国と連携して広域処理も進め、円滑な処理に全力を尽くしてまいりたいと考えております。

 次に、海岸堤防と森の防潮堤の双方の利点を生かす工法の検討を進めてはどうかとのお尋ねにお答えをいたします。
 国が仙台湾南部海岸で整備をいたします第一線の海岸堤防は、対象とする津波外力を確実に防御できる強度を有することや、所定の高さを維持するために、不等沈下が生じないことなど、長期にわたって海岸堤防としての機能が維持できる性能と品質を有することが不可欠であります。このため、国が施行します海岸堤防では、盛り土構造に加え、コンクリートブロックで被膜するなどによりまして、設計の対象とする津波はもとより、それ以上の津波が来たとしても、壊れにくい、粘り強い構造とすることとしているところであります。
 県といたしましては、コンクリートがらや津波堆積物につきまして、海岸堤防背後の多重防御や緊急の避難場所ともなります海浜緑地公園や防災緑地におきまして、市町とともに、復興資材として可能な限り活用することを検討してまいりたいと考えております。

 次に、積極果敢に森の防潮堤の整備に取り組むべきとの御質問にお答えをいたします。
 海岸部の森林、いわゆる海岸防災林の復旧・再生につきましては、仙台湾南部は、国直轄事業により整備することとなっております。その手法につきましては、宮脇昭氏を初めさまざまな方々や団体等から御提案をいただいているところでありますが、国におきましては、これらを踏まえまして、「みどりのきずな」再生プロジェクト構想により、海岸防災林を復旧・再生することとしております。その整備につきましては、森の防潮堤の概念を取り入れ、分別、無害化された再生瓦れきの活用を初め、地元住民、NPOや企業と提携した植樹活動、更には、在来広葉樹の植栽等の取り組みもなされることとなっております。県の整備をいたします海岸防災につきましても、国の方式にならって進めてまいりたいと考えております。

 次に、木くずの活用による陥没等の科学的根拠についての御質問にお答えをいたします。
 木くずの腐朽によるガス発生、不同沈下、陥没等の可能性について、環境省に対し科学的知見の提供を要請したところ、国土交通省がまとめました東日本大震災からの復興に係る公園緑地整備に関する技術的指針を踏まえたものとの回答がございました。また、自然木の丸太の埋設箇所における立入禁止措置につきましては、不同沈下、陥没等の危険性があることを考慮し、管理者が安全性に留意し、個々の状況に応じて対処願いたいという見解でありました。これを踏まえまして、埋設箇所における具体的措置につきましては、事業主体が適切に判断することになるものと考えております。

 次に、いのちを守る森の防潮堤構想についての御質問にお答えをいたします。
 議員から、イギリスの詩人、ジェラード・ホプキンズの言葉、私のなすことが私である、私はそのために生まれてきたのだを御紹介をいただきました。私の場合は、衆知を集めて私のなすことが私であると考えております。
 今回の大津波対策は、津波防御の第一線堤防として、防潮堤の復旧、その背後には、森の防潮堤の概念を取り入れた、より強い海岸防災林や防災緑地づくり、更に第二線堤としての道路、鉄路等のかさ上げ、ソフトとしての住民避難システムの確立など、衆知を集めた先進的な多重防御による防災対策を考えております。これらを宮城モデルとして世界にぜひ発信したいと考えております。

 次に、大綱二点目、地域医療と自治体病院のあり方についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、県内自治体病院の運営一体化を目指す機構設立構想についてのお尋ねにお答えいたします。
 我が県が抱える医師不足、地域や診療科による偏在などの現状認識及び課題の整理につきましては、私も同様に問題意識を持っております。また、それらの課題解決に向け、ご提案のありました県内自治体病院の運営一体化を目指す機構の設立は一つの有効な選択肢であると認識をしております。仮に、今後この構想の実現を図るとすれば、まずは関係自治体の長や病院長など関係者の意見を聞くところから始まると思われますが、これだけ大規模な自治体病院の統合は全国でも例がなく、市町村合併と同様、若しくはそれ以上の時間と労力を要することになるだろうというのが、私の率直な第一印象でございます。

 次に、地域医療が行き詰まる前に機構設立に向けた具体的検討に踏み込むべきとの御質問にお答えをいたします。
 機構設立構想の実現までの道のりにおきましては、自治体の負担や累積赤字の解消、職員の身分の取り扱いなど、関係者との調整が必要になる課題も多々あるものと認識をしております。医師確保に向けた新たな取り組みといたしましては、東北大学、医師会、医療機関、県の四者で昨年2月に設立した宮城県医師育成機構の中で、医師のキャリア形成支援等を行いながら、医師の招聘・定着を促進する取り組みを進めております。
 県といたしましては、ドクターバンク事業や医学生修学資金貸付などの医師確保対策を一層強化してまいりますが、一方で、御提案の機構設立構想につきましても、関連する協議会などで関係者の意見聴取や類似事例の研究を行いたいと考えております。

 次に、大綱三点目、慶長遣欧使節400年記念事業についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、県として一過性の式典にとどまらない内容と予算規模で実施に臨むべきと思うかどうか。また、現時点で計画されている記念事業の内容はどうかとのお尋ねにお答えをいたします。
 来年10月、慶長遣欧使節が石巻市月の浦を出帆してから400年の節目を迎えることから、県としては、慶長遣欧使節の歴史的な偉業を国内外に広く発信しPRするため、慶長遣欧使節船協会や石巻市などの関係団体と連携しながら各種事業を効果的に展開してまいりたいと考えております。このため、慶長遣欧使節400年記念事業を実施するための実行委員会をことしの秋をめどに立ち上げる予定としております。事業内容や予算規模等につきましては、その中で具体的に検討してまいります。
 また、現時点で計画をされている記念事業としては、仙台市が行うオペラ「遠い帆」の公演や、慶長遣欧使節船出帆400年をテーマとした地方自治法施行60周年記念硬貨の発行などがございます。

 次に、NHK大河ドラマの採用に向けた運動を展開すべきと思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。
 NHK大河ドラマへの採用は、慶長遣欧使節の歴史的な偉業を後世に伝えるための絶好の機会であり、また、地域のイメージアップや観光客の誘致につながるなど、地域経済へ及ぼす効果は極めて大きいと認識をしております。
 平成19年3月、NHK本社を私自身が訪れた際、橋本会長にお会いし、慶長遣欧使節400年記念に合わせて大河ドラマへの採用をお願いをいたしましたが、会長からは、なかなかハードルが高いですねというお話を伺っております。今後は、現状を分析し、採用の可能性を含めて対応策を検討してまいりたいと考えております。

 私からは、以上でございます。

○議長(中村 功君)
 環境性格部長本木隆君。

  [環境生活部長 本木 隆君登壇]

◆環境生活部長(本木 隆君)
 大綱一点目、いのちを守る森の防潮堤についての御質問のうち、盛り土基盤材として活用できる瓦れきの量についてのお尋ねにお答えをいたします。

 先般、県が受託している災害廃棄物の処理対象量の見直しを行ったところ、再生利用可能な資材の量は、コンクリートがらで約200万トン、アスファルトがらで約5万トン、土砂で約50万トンとなっております。これらについては、いずれも災害廃棄物処理の委託者である市町が土地のかさ上げ材や道路の路盤材などの復興資材として活用するということを予定しております。また、今回環境省から盛り土材としての考え方が示された丸太についてですが、一次仮置き場と二次仮置き場にそれぞれ分別、集積されておりますが、現時点では約65000立方メートルほどとなっております。

 次に、瓦れきを防潮堤に活用する場合の手続等についての御質問にお答えをいたします。
 コンクリートがらや丸太などにつきましては、破砕やチップ化などの中間処理を行い、道路のかさ上げ材や合板原料などとしてその全量を再生利用する計画としております。廃棄物に該当しない再生資材として防潮堤の基盤材に活用する場合は、まずは処理の委託元である市町の意向を優先し、事業主体の意向も踏まえながら、関係者が参加する災害廃棄物処理推進連絡評議会などを通じて調整をするということになります。また、具体の活用に際しましては、有害物質を含まないこと、公共工事の事業主体が定める構造・耐力上の安全性など構造物が求める品質であることなどの要素を満たす再生資材を供給するということが条件になります。

 次に、大綱三点目、慶長遣欧使節400年記念事業についての御質問のうち、慶長使節船ミュージアムの修復の現状と進捗及び施設全体の再建をどう考えているのかというお尋ねにお答えをいたします。

 慶長使節船ミュージアムについては、東日本大震災により、展示施設や復元船に甚大な被害を受けたため、現在は休館とさせていただいております。県といたしましては、慶長遣欧使節400年の節目を迎える来年10月に合わせて施設を再開するため、現在復旧工事に全力を挙げて取り組んでいるところであります。
 また、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の製材会社から寄贈された木材が今月21日に到着したことから、今後、復元船のマストの修復に向けた作業も早急に進めることとしております。
 なお、施設全体の再建については、展示施設の一部をオープンテラス式にすることとしていますが、それ以外は現状への復旧を基本として進める方針でございます。

 私からは、以上でございます。

○議長(中村 功君)
 保健福祉部長岡部敦君。

  [保険福祉部長 岡部 敦君登壇]

◆保険福祉部長(岡部 敦君)
 大綱二点目、地域医療と自治体病院のあり方についての御質問のうち、機構構想に対する国の見解等についてのお尋ねにお答えいたします。

 国では、公立病院改革プランにおいて再編ネットワーク化を推進し、地域医療再生臨時特例交付金の交付条件に病院の統合・再編を盛り込むなど、これまでも公立病院の経営効率化に関する見解を示しておりますが、御提案のありました構想につきましては、今後、情報収集も含めまして意見を伺ってまいりたいと考えております。
 また、全県的な規模のものはございませんが、他県における類似の事例といたしましては、山形県と酒田市が共同で独立行政法人を設立いたしました日本海総合病院や、滋賀県においては、国立病院機構と市の役割分担のもとに一体的に運営する東近江総合医療センターなどの事例があると承知してございます。

 次に、医師や看護師の流出など、被災地の自治体病院の現状についての御質問にお答えいたします。
 東日本大震災により、特に沿岸部の地域におきましては、津波により多くの病院、診療所が大きな被害を受け、数多くの医療従事者が働く場を失いました。中でも、地域医療の中核を担っておりました石巻市立病院や公立志津川病院は、病院が全壊し、多くの医療従事者が他病院への移籍等を余儀なくされておりまして、数年後、各病院が再建する時点で必要な医療スタッフが確保できるかにつきましては、関係者一同危機感を持っております。今後の対策としましては、地域医療再生基金を活用した医療人材の流出防止策のほか、宮城県医師育成機構でのキャリア形成支援を通じた医師の招聘・定着の取り組みの強化や、被災地で働く場を失った医療従事者を雇用しまして、再教育の上、被災地の医療機関に配置することなどを柱といたしました東北大学の総合地域医療研修センタープロジェクトなどを通じまして、医療人材の確保、流出防止に努めてまいります。

 私からは、以上でございます。

○議長(中村 功君)
 経済商工観光部長河端端章好君。

  [経済商工観光部長 河端章好君登壇]

◆経済商工観光部長(河端章好君)
 大綱三点目、慶長遣欧使節400年記念事業についての御質問のうち、デスティネーションキャンペーンとの協働に係るお尋ねにお答えいたします。

 来年4月から6月に開催する仙台・宮城デスティネーションキャンペーンでは、県の大きな魅力の一つである伊達政宗公ゆかりの文化も大いに発信することとしてございます。県といたしましては、来年開催予定の慶長遣欧使節400年記念事業とも協働し、使節団の偉業などについても積極的な情報発信やPRに取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。

○議長(中村 功君)
 教育長高橋仁君。

  [教育長 高橋 仁君登壇]

◆教育長(高橋 仁君)
 大綱三点目、慶長遣欧使節400年記念事業についての御質問のうち、仙台市博物館所蔵の慶長遣欧使節関係資料について、ユネスコの世界記憶遺産への登録の見直しと制度の内容についてのお尋ねにお答えいたします。

 慶長遣欧使節関係資料につきましては、平成23年5月に、日本ユネスコ国内委員会ユネスコ記憶遺産選考委員会が推薦を決定し、ことし3月に我が国とスペインが共同でユネスコに推薦しております。現在審査中でありますが、仙台市博物館に伺ったところでは、平成25年5月に登録される見通しであるとのことであります。
 世界記憶遺産は、世界遺産、無形文化遺産とともにユネスコが主催する事業で、1992年に開始されております。世界の重要な記憶遺産の保護と復興を目的とした事業で、歴史的人物の直筆の文書や書籍、写真などを対象としております。登録物件は2年ごとに選考され、各国からの推薦は、1回につき2件までとされております。これまでフランスの人権宣言やゲーテの直筆文学作品など193件が登録されており、昨年、筑豊炭田の記録画が我が国で初めて登録されております。

 以上でございます。

○議長(中村 功君)
 56番相沢光哉君。

◆56番(相沢光哉君)
 御答弁ありがとうございました。

 知事、ホプキンズの言葉を引用して、衆知を集めてなすことが私の仕事であると、こういう御回答でしたけども、衆知を集め何を採択するかは、やはりトップである知事なんですね。ですから、防潮堤のことについては、国においてとか国の方針にならってという、必ずこう前置きが出てくる感じがしておりまして、県が積極的に本当に取り組んでいくというところが何かにじみ出てこないんですよね。ですから、制度的にいろいろ問題があるのは重々承知をしておりますけれども、長いスパンで考えたときに、ここでやっておかなければならないという思い、そして、岩沼市では既に千年希望の丘を着手してるわけですから、これについてもう一度知事の御発言をいただきたいと思います。

○議長(中村 功君)
 知事村井嘉浩君。

◆知事(村井嘉浩君)
 相沢議員の本当に熱い思いはよく理解しているつもりでございます。趣旨もよくわかっております。ただ、どうしてもこの法律の範囲内で我々は行動しなけりゃいけないと。また、国の支援をいただく以上、国のお金を使う以上、国の考え方というのをよく聞きながらやっていかなければいけないという、そのはざまで非常に私も苦しんでいるということでございます。
先ほど答弁いたしましたとおり、まずは、やはり堤防というものはしっかりと決められたルールどおりやった上で、その後ろ側に、なるべく相沢議員の思いのこもったような形で防災林等の設備ができるように今後とも努力をしていきたいと、このように思っております。

○議長(中村 功君)
 56番相沢光哉君。

◆56番(相沢光哉君)
 ぜひよろしくお願いします。
 それから、広域処理、なお114万トンがあるということですが、これはいろいろ北九州市との約束もあるとは思いますが、大変住民からいろんなクレームが出てる状況から見ると、東北あるいは東京、あるいは茨城あたりまでの近間のところでお願いしていくというふうなことでよいのではないのかと思いますが、いかがですか。

○議長(中村 功君)
 知事村井嘉浩君。

◆知事(村井嘉浩君)
 既に受け入れを表明してくださった決まったところにつきましては、予定どおりお願いをしたいと思っておりますが、今後につきましては、なるべく近間で、税金をむだ遣いしないように効率的に処理できるように努めてまいりたいと思いますし、まず何よりも県内処理を進めていくということを最優先に考えていきたいと考えております。

相沢みつや連合後援会 事務所 連絡先