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議会質問・討論

宮城県議会議員 相沢光哉

第346回 定例会 平成26年3月5日 一般質問

@医学部の新設について
A防潮堤とまちづくりについて

 特例として東北地方に一校と国が認めた医学部新設について、宮城県および福島県でそれぞれ設置申請に向けた動きが活発化してきました。
 さまざまな課題をどう解決できるか、そもそも医学部新設に反対している既存大学や各県医師会との調整は大丈夫かなど、本県の現状と知事の対応について、相沢県議が質問しました。
 また、今東北沿岸部で進められている巨大な防潮堤計画について、住民合意の取りつけ方、景観・自然環境・産業への影響、防災と減災・海との共生などの観点でさまざまな問題点があることを、相沢県議は具体例を交えながら、知事の見解をただしていきます。
 ぜひご一読下さい。

○議長(安藤俊威君) 56番相沢光哉君。
[56番 相沢光哉君登壇]
○56番(相沢光哉君) 通告に従い、質問いたします。
 大綱1点目は、医学部の新設についてであります。
   本件は、昨年の知事選挙以来、有権者の圧倒的支持を得て3期目の県政に取り組んでいる村井知事が、東日本大震災から丸3年、復旧期から再生期へ向かう極めて重要な時期に、創造的復興の主要な柱の一つに掲げている案件であります。これまで各会派の同僚議員から一般質問、代表質問の形で取り上げられてきておりますが、2月28日、県庁記者クラブで一般財団法人厚生会仙台厚生病院の目黒理事長、東北福祉大学の渡辺学長補佐、栗原市の佐藤市長の三者が共同記者会見を行い、仙台厚生病院と東北福祉大学が連携して栗原市に新キャンパスを設け、必要とする附属病院の病床数を確保するために、栗原市立栗原中央病院と県立循環器・呼吸器病センターに、新設の医大への移譲を要請するという構想が発表され、医学部新設は一気に急展開を見るに至りました。
 なお、これまで厚生会仙台厚生病院との連携交渉を進めていた東北学院大学は、同日、連携協議を終了し、医学部新設を断念したことを正式に表明しました。また、他方、医学部設置に意欲を見せている東北薬科大学は、今のところ新たな動きは報道されていませんが、岩手、福島を含めた被災三県を含め、現状では新医学部への意欲の強さの面で、厚生会の目黒泰一郎理事長の思いが他にぬきんでている印象が強いことは否定できないと思います。
 今後の展開を考えたとき、医学部新設への道のりは数多くの難題や障害が横たわっております。首尾よく国の設置認可審査をクリアしたとしても、開学までのタイトなスケジュールの中での人的、物的、資金的課題、更に、法律行政、組織運営、地理的条件上の懸念事項を解決しながら、健全な医科大学の経営は可能なのか、そもそも設置目的にある医師不足の解消や診療科の地域偏在は是正できるのかといった問題が山積みしています。また、現在、地方独立行政法人宮城県立病院機構の三病院の一角を占める循環器・呼吸器病センターが新医学部の附属病院として移譲されるとすれば、その適否の政策判断や今後の県としてのかかわりをどうするのか、中長期にわたっての的確な判断が求められます。
 そもそも医学部の新設は、昭和57年及び平成9年の閣議決定に基づき、約40年間、医学部新設を抑制してきた国が、震災からの復興、今後の超高齢化と東北地方における医師不足、原子力事故からの再生を図る観点に加え、将来の医師需要や地域治療への提供を勘案して、東北地方に一校という限定のもとに医学部の新設を認める方針を示したことに端を発しています。東北地方六県のうち最も積極的なのは我が県の村井知事ですが、さきに述べたように、岩手、福島両県知事は、それぞれ既存の市立岩手医科大学、福島県立医科大学の定員増で対応できると考えているようで、新医学部の設置に消極的とみられるのは、各県医師会が、医学部新設により、多くの勤務医が教員確保のため医療現場から引き抜かれ、医師不足が一層加速されて、地域治療の崩壊につながると反対していることが影響していると推察されます。
 そこで、以下、順次質問に入ります。
 第1問。栗原市に新医学部キャンパスを整備するという構想は、すでに基準病床数から約24%も既存病床数が超過している仙台医療圏では、最低でも六百床必要とされる附属病院の新設は不可能と目されることから、次善の策として打ち出されたものと思います。しかし、逆説的に言えば、医療の地域偏在を解消することを視野に入れる新医学部が大都市ではない地方に立地することは、それなりの意義があり、全国79の既存の医学部にはない特徴を有することにもなります。
 知事は今回の構想をどう受け止めたか、また、関係者の発表の前に知事に対し事前の相談や同意が求められたと思いますが、特に県立病院の移譲が条件の一つになっていることについてどう判断したのか。また、それは県庁内の協議機関、例えば医学部設置推進室政策・財政会議にかけたのかどうか。更に、本県の医学部新設について、兼ねて発表している100%の可能性という表現は変わっていないのか、お尋ねします。
 第2問。国が示している医学部新設の最短スケジュールによれば、新設構想の締め切りは本年5月、申請が8月、認可が10月、開学が来年4月と、極めて超過密な日程になっております。もっとも、ただし書きに、構想公募の期限、認可申請及び開学時期は、大学、自治体等の準備状況を踏まえて弾力的に対応するとうたってはおりますが、今回の構想は、単純に既存大学に医学部を設置するケースではなく、関係自治体の行政手続きや議会承認を必要とし、対象病院の職員の身分保障、利用住民の利便性など配慮すべき点が多々あります。国に対して、県が主体になって採択や認可のあり方、時期の設定等について積極的に申し入れをすべきと思いますが、いかがですか。
 第3問。医学部新設について、日本医師会、宮城県医師会、東北大、岩手医科大、福島県立医科大の被災県三大学がこぞって反対しています。その主な理由は、さきに述べた教員確保のための医療現場からの引き抜き懸念のほかに、医学部新設に巨額の費用が発生し、国の補助金が使われることになる。新たな医学部の誕生によって、医師養成数のコントロールが困難になる。既存の医学部の定員増によって、医師数の確保に一定のめどが立っている。新設医学部からの医師の供給は、早くとも10年以上の期間を要するなどであります。これらの反対理由に対して、知事はどのような見解を持っているのか。また、少なくとも県医師会と東北大医学部とは、現状と今後の展望に関して十分な意思疎通を図るべきだと思いますが、いかがですか。
 第4問。東北福祉大、厚生会仙台厚生病院、栗原市のスキームによる認可申請となると仮定した場合でも、県の直接的関与は少なからず求められていること、また、国の認可をスムーズに取得するためにも、県立大学であり、看護学部を持つ宮城大学に医学部を新設するという構想はなかったのか。あるいは検討すべきであるという意見について知事はどう考えますか。お答え下さい。
 第5問。医学部の新設が、震災からの復興に直結するかどうか、また、医師や診療科の地域偏在の解消に真に有効かどうかは、今後の制度設計の在り方によってかなり振幅が大きいと思います。県内には18の運営主体による29の自治体病院がありますが、仙台市を除くすべての自治体病院は医師不足に悩んでおり、広く東北地方を見れば、一層その傾向は深刻です。
 厚生会・東北福祉大グループの基本計画書によれば、卒業生が一定期間、地域医療を義務的に担うシステム、自治医科大学方式に一部類似する方法を考慮し、医師国家試験合格率では全国平均の90%以上を目標にするとありますが、これらも決して楽なレベルではなく、結果として、理想や現実の乖離に苦しむことになりかねません。
 私は、2年前の6月議会の一般質問で、仙台市立病院を除く県内自治体病院を一元的に運営する(仮称)地方独立行政法人宮城自治体病院構想・久道茂プランの導入を検討すべきと提案いたしましたが、新医学部を川上とすれば、川下の県内自治体病院の整備改善を図ってこそ、相呼応して新医学部の構想が着実に実現するものと確信いたします。知事が医学部新設に猪突猛進で頑張る覚悟なら、大胆な構造改革に挑戦する勇気と情熱を発揮してほしいと願うものですが、知事の御所見を伺います。
 
 次に、大綱2点目、防潮堤とまちづくりについて質問いたします。
 
 あの未曾有の大災害をもたらした東日本大震災からまもなく丸3年を迎えます。目前に迫った宮城鎮魂の日に臨み、改めて、多くの犠牲者の方々の御霊に心からの哀悼の誠をささげ、今なお仮設住宅などで不自由な生活を送られている被災者の皆様に1日も早く正常な日々が訪れますよう、議会人としての責務の重要さを新たにするところであります。
 さて、このところ、宮城県の巨大堤防について、その姿が明らかになるにつれ、さまざまな立場にいる方々からの発言やマスコミ報道がふえております。私ども宮城県議会としても、一昨年3月に、「いのちを守る森の防潮堤推進議員連盟」を全員参加のもとに発足して以来、自民党国会議員による同趣旨の議連との連携を図りながら、十分とは言えないまでも、仙台湾南部海岸堤防における実証実験や、岩沼市の千年希望の丘事業の実施を見るに至りました。また、近く国土交通省が、震災を教訓とした海岸法の改正点として、堤防の陸側斜面に土盛、植樹して津波被害を軽減する緑の防潮堤を粘り強い構造物として海岸堤防等の海岸保全施設に位置づけることや、関係者による協議会を設置して、海岸の防災・減災対策を協議できる規定を盛り込むことなど、一定の成果を上げることができたことを喜びたいと思います。とはいえ、瓦礫を埋めてマウンドを築き、そこに広葉樹を植えて緑の防潮堤をつくるという、宮脇昭理論による革新的な試みが十分に採用されたものではなく、正直、志半ばの歯がゆい思いに駆られます。
 話を防潮堤についての報道番組に戻しますと、1月22日、東日本放送テレビ、報道ステーションの古舘キャスターによる村井知事インタビュー、2月2日、同テレビ、報道ステーションサンデーの「安倍昭恵総理夫人が見た、無人島になぜ防潮堤」、2月16日、NHKテレビの「防潮堤から考える街の未来、岩手県大槌町」などが大変興味を引きました。特に古舘キャスターの知事インタビューは視聴率も高く、私の周囲でも、あのキャスターは好きではないが番組を見る限り、知事の考えはおかしいとか、知事さんがいじめられているようでかわいそうなどの声が聞かれました。
 そこで、順次、質問に入ります。
 第1問。防潮堤に関する報道や論評が多くなっているのは、大震災直後の悲惨な状況から速やかに復旧するために、早く安心できる海岸堤防を建設してほしいという住民の当然の意思が一応一段落し、改めて整備される堤防の高さや大きさを実感して、特に漁業や沿岸での生活を営むための利便性や継続性、景観や環境への配慮という日常性を取り戻していく過程の中で、「こんな高い防潮堤は要らない。海が見えなくなるのはかえって危険だ」という意識が強まっているからと思いますが、この基本的な認識の面で知事はどう考えますか。
 第2問。県が進めている海岸堤防がすべて間違いとは、私自身思っておりません。例えば仙台湾南部海岸においては、高さ、形状ともおおむね妥当と思います。なぜならば、そこで生活する住民は既に内陸部に移住し、住民合意形成も成り立っているからであります。しかし、リアス式海岸が多い県北部における整備手法は、約百年に一度の頻度の高い津波に対する安全性を基準とする理論を一歩も譲らず、住民の希望や要請に全くこたえようとしないかたくなな態度を知事が示していることは、なぜそうなのか、極めて理解に苦しみます。例えば、鮪立海岸の高さ6.9メートル、底辺幅60メートル、総延長540メートルの防潮堤は、猫の額ほどの平地をほとんど消滅させ、約245世帯700人余りの住人が生きていくために1,300年にわたって守ってきた漁業も継続が不可能になることでしょう。立派な堤防が完成して、50年後、100年後、住民がゼロになってしまっては、だれの命を守るための防潮堤なのでしょうか。住民の70%の署名による要望書では、過去最大の明治三陸津波の高さ4.0メートルプラス余裕高1メートルで5メートルの防潮堤整備と住民の高台移転となっており、極めて合理性に富むものであると同時に、国の指導指針にも合致するものであります。知事の熱意は熱意としてわかりますが、知事の考えは、非常時の防災の確実性のみを求めるシングルイシューそのものであり、海を危険なものとして位置づける思想であります。一方、住民の考えは、非常時の減災と日常の生活を重視し、海との折り合い、共生による恵みを享受しながら、災害は一病息災と割り切って、海は時に荒ぶれど常には豊かな海と位置づける思想であります。
 以上の論点について、知事の見解を求めます。
 第3問。本県の防潮堤、海岸堤防の整備計画によれば、農地海岸、漁港海岸、建設海岸、港湾海岸合わせて総延長約250キロメートル、国、市町分を含め総事業費約4,800億円と見込まれ、新規事業以外の復旧・復興費は、国庫負担金及び特別交付税で賄われるため、国費97%、県費3%と言われている建設費は、実質県費ゼロで進められています。このことは、仮に県費が3分の1あるいは10分の1の負担であったとしたら、到底、このようなペースで工事が進められるはずはなく、実質全額国費であることが、大規模工事が容易に計画され、実施されていく要因になっています。逆に見れば、もし県費負担がかなりあるとすれば、資金調達のために時間がかかり、おのずから事業進捗のペースが遅くなり、市町との協議もじっくり時間をかけ、住民合意の取り付けも丁寧に進められることになるはずであります。もちろん、災害復旧はできるだけ急がなければなりませんが、事、防潮堤に関して言えば、五十年、百年ないし数百年単位で起きる災害が対象であり、ある程度時間をかけ、内容や形状をよく考え、じっくりベターな整備を進めることのほうが良いと思われます。このパラドックスについて、知事はどのような感想をお持ちでしょうか。
 また、災害復旧事業は、もとあったとおりに作りなおすのが原則であります。しかし、防潮堤は、はるかにその範囲を超えてつくられております。であれば、大規模工事として、環境アセスメントの対象事業扱いとするため、法ないし県条例の見直しをすべきだったと思いますが、いかがでしょうか。
 第4問。大槌町で開かれた「防潮堤から考える街の未来」は、NPO団体のリーダーや環境デザイナーが、参加した市民に様々な災害状況や防災実例を提供し、どのようなまちづくりをしたいのか、KJ法を使いながら市民の合意形成に務める、すぐれたレポートでした。その中で、北海道南西地震で大きな津波被害を受けた奥尻島が、コンクリート防潮堤の完成で被災地5年で完全復興を宣言した後に、コンクリート堤防によって島周辺の魚介類が激減して、沿岸水産業の衰退が顕著となり、過疎化が一気に進んでしまった事例は、他人事とは思えません。防潮堤の維持修理費だけでも町の財政を圧迫している状況にあり、今日では、強い反省のもと、防潮堤を過信しないまちづくりと、何を大切にして復興していくのかを徹底して見極めることこそ最重要と指摘しています。
 人は、その環境と経歴の中で、人格や思想、価値観が形成されていきます。かつて自衛官であった知事は、強い克己心とともに、職業柄上意下達の精神が他の人より強くお持ちではないかと推察いたします。普代村の和村幸得村長への心酔は理解できますが、自己の信念を発露する際にも、一歩下がって他者の声に謙虚に耳を傾ける「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の気持ちを大切にしていただきたいと思います。
 知事の率直な気持ちをお聞かせをください。
 以上、壇上からの質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。
[知事 村井嘉浩君登壇]
○議長(村井嘉浩君)
 相沢光哉議員の一般質問にお答えをいたします。大綱2点ございました。
 まず、大綱1点目、医学部の新設についてのご質問にお答えいたします。
 はじめに、仙台厚生病院と東北福祉大学の構想発表についてのお尋ねにお答えをいたします。
 東北福祉大学、一般財団法人厚生会、栗原市の三者による構想は、東日本大震災からの復興推進と地域医療ニーズに対応した人材育成という理念実現のため、深刻な医療資源不足の課題を抱える県北部に医学部を設置し、沿岸部被災地を始めとする東北地方の地域医療再生への貢献を目指すものであり、国の基本方針も踏まえた内容であると認識をしております。また、県立循環器・呼吸器医療センターの参画につきましては、先月の28日に要請を受けたばかりであり、地方独立行政法人宮城県立病院機構の意向も十分に確認する必要があることから、県としての意思はまだ決定をしておりません。現在県内では2つの大学等が医学部設置の意向を表明し、5月の構想申請に向け具体的な準備を進めることになりましたので、県といたしましては、確実に医学部新設が宮城県で実現できるように全力で応援してまいります。
 次に、県が主体となって採択や認可のあり方、時期の設定等について積極的に申し入れをするべきとの御質問にお答えいたします。
 国からは、医学部設置に係る詳細の審査基準や構想申請に係る提出書類などの方針が現時点においても示されていないことから、今後の作業スケジュールが大変厳しいものとなっております。県といたしましては、今後、医学部設置の意向を表明している2つの大学等の構想や意見等をしっかりお聞きし、情報共有を密にしながら、構想実現のために必要な弾力的な運用や配慮について国に申し入れをしてまいります。
 次に、医師会等が反対している理由に対する見解と、十分な意思疎通を図るべきとのご質問にお答えいたします。
 ご指摘のありました反対理由のうち、教員等の確保に際し、引き抜き等で地域医療に支障をきたさないことや、将来の医師需給等に対応した定員調整については、国の基本方針に留意点として掲げられており、適切な対応が講じられるものと認識しております。
 また、既存医学部の定員増は暫定的な措置であるとともに、医師の地域定着や偏在解消等を大きく促進させるため、震災後の東北の地域医療ニーズに対応した教育を行う医学部新設を要望してきた経緯がございます。更に、卒業生が医師として活躍するまでの期間につきましては、既存の医学生修学資金制度等の施策を効果的に実施するとともに、新設される大学付属病院が各自治体病院等とのネットワーク化を図ることにより、地域医療ニーズにこたえてまいります。新医学部が宮城、東北の地にしっかりと根をおろしていくためには、地元医師会や東北大学など、既設の各大学はもとより、東北各県、市町村等との協力体制を築いていくことが必要不可欠でありますので、県としても、各機関等との意思疎通が十分に図られるよう努めてまいります。
 次に、県立である宮城大学に医学を新設するという構想はなかったのか、あるいは検討すべきであるという意見についてのご質問にお答えします。
 現在、国の基本方針では、地方公共団体も設置主体になり得ることが示されておりますが、県立大学の場合は、新キャンパスや附属病院等の整備に多額の経費を要することはもとより、他県の事例からも、毎年度継続的に相当額の運営費負担が生じることが想定されます。また、県内では二つの大学等が医学部設置の意向を表明し、5月の構想申請に向け準備を進めているところでありますので、これらの構想により医学部新設が実現できるよう、県として応援をしてまいりたいと考えております。
 次に、県内自治体病院の一元的運営機関についてのご質問にお応えします。
 我が県の抱える医師不足、地域や診療科による偏在などの課題解決に向け、ご提案のありました県内自治体病院の運営一体化を目指す機構の設立は一つの有効な選択肢であると認識はしておりますが、自治体病院は、各自治体が地域の実情等を踏まえ、それぞれの理念や経営状況に応じて運営されていることから、これらを一つにまとめることにつきましては、多くの課題や困難がございます。
 県といたしましては、東北大学、医師会、医療機関及び県の四者で設立をいたしました宮城県医師育成機構の理事長に宮城県医療顧問の久道茂先生をお迎えし、各自治体病院とも連携を図りながら、医師のキャリア形成支援と地域偏在対策に取り組んでいるところであります。今回の医学部設置は、自治体病院の医師確保など、東北地方に医師を着実に定着させるための新たな起爆剤としての役割が期待されるものであり、これまでの取り組みと組み合わせながら、地域の医師不足や地域偏在の解消が図られるように取り組んでまいります。
 次に、大綱2点目、防潮堤とまちづくりについてのご質問にお応えします。
 はじめに、防潮堤に対する住民意識の変化についてのお尋ねにお答えをいたします。
 県ではこれまで住民説明会などを通じて防潮堤整備の考え方をお示ししてきたところでありますが、まもなく震災から3年を迎え、被災者が生活再建に向けて動き出している中で、一部の地域の方々からは、県の計画に対して疑問が投げかけられております。それらについてはしっかりこたえていかなければならないと考えておりますが、一方で、今回の大津波により1万人を超える尊い県民の命が失われたことを踏まえますと、将来に向けて、一人の命も失わない津波対策を確実に実施していくことが県に与えられた責務であると強く認識しております。
 県といたしましては、地域のニーズに応じて、防潮堤の配置や構造の工夫、高さの低減の可能性になどについて技術的な検討を行い、地域の方々にご理解をいただけるよう努めてきたところであり、今後ともさまざまなご意見を真摯に受けとめながら、防潮堤整備の合意形成を図ってまいります。
 次に、私が非常時の防災の確実性のみを求め、住民側は減災と日常の生活を重視しているという論点についてのご質問にお応えします。
 防潮堤整備については、住居等の防護対象施設がない地区では原状復旧とするなど、背後の土地利用状況に合わせた計画としているところではありますが、例えば、鮪立漁港海岸などの様に、レベル1津波の浸水地域に住居等がある地区については、基本計画堤防高による整備が必要と判断をしております。また、県といたしましても、防災面の確実性だけを論点として計画案を示しているのではなく、基本計画堤防高による一定の安全性を確保した上で、住民の方々の生活や漁港利用の面につきましても支障が生じないよう、できるだけ意見を取り入れ、防潮堤の底辺幅の縮小や漁港の利便性確保等についても考慮し、提案をしております。今後も引き続き住民の方々へ丁寧に説明し理解が得られるよう、さらに努力をして参りたいと考えております。
 次に、他者の声に謙虚に耳を傾けるべきとのご質問にお答えをいたします。
 私は、震災直後から、あのような悲惨な状況が二度と繰り返されることがないよう、私たちの子供や孫、更にはその子孫のことまで考えて、守るべきものはしっかり守ることが生き残った我々の責務であると強く認識してきたところであります。その一方で、防潮堤の整備につきましてはさまざまなご意見がありますことから、それらの意見を踏まえて、地域の特性に応じ、防潮堤の位置、構造及び高さに関する技術的な検討などを行いながら、合意形成に努めてまいりました。県としては、今後とも、県民の皆様にご理解いただけるよう、さまざまな声に謙虚に耳を傾けながら、災害に強い宮城の県土づくりに取り組んでまいります。
 私からは、以上でございます。

○議長(安藤俊威君) 環境生活部長本木隆君。
[環境生活部長 本木 隆君登壇]
○環境生活部長(本木 隆君) 大綱2点目、防潮堤とまちづくりについてのご質問のうち、原状復旧の範囲を超えて整備されている防潮堤について環境アセスメントの対象にすべきだったと思うがどうかとのお尋ねにお答えをいたします。
環境影響評価法では、これまで環境に与える影響の程度から判断して対象事業を選定してきており、また、災害対策基本法の趣旨に基づいて実施する災害復旧事業及び再度の災害を防止するための事業は適用除外とされていることなどから、防潮堤は対象事業とされなかったものと認識しております。
県といたしましては、環境アセスメント制度の対象とならない事業であっても、県で策定した公共事業環境配慮ガイドにそって調整を進めておりましたことから、防潮堤についても環境への配慮方針を策定するなど、自主的な環境配慮が行われてきていると認識しております。更に、環境の専門家等を委員とする環境等検討懇談会を国と合同で開催し、環境への影響把握や景観への配慮事項を検討しながら、事業計画を策定してきております。また、生態系に配慮した施設設備を行うため、工事の実施中及び終了後の各段階において、環境の専門家からアドバイスをいただきながら事業を進めることとしたものでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(安藤俊威君) 土木部長遠藤信哉君。
[土木部長 遠藤 信哉君登壇]
○ 土木部長(遠藤信哉君) 大綱2点目、防潮堤とまちづくりについてのご質問のうち、防潮堤は時間をかけてよりよい形で整備を進めるべきとのお尋ねにお答えいたします。 今回の大震災による広域地盤沈下の発生と大津波による防潮堤の壊滅的な被災によりまして、我が県の沿岸域では、津波はもとより、日常的な高潮波浪に対する防御機能についても不十分な状態になっております。今回整備いたします防潮堤は、数十年から百数十年に一度発生する比較的発生頻度の高い津波を対象とするものであり、市町が進めます復興まちづくりを初めとする沿岸域の復興を加速するためには、できるだけ早期に施設の整備を完成させる必要があると考えております。復旧に当たりましては、復興予算が確保されております期間中に整備することが最良の選択と考えておりますことから、誠心誠意合意形成をはかりながら、着実に沿岸域の防災対策を進めてまいります。
以上でございます。

○議長(安藤俊威君) 56番相沢光哉君。
○56番(相沢光哉君)  ご答弁ありがとうございました。
まず、医学部の問題について、たとえば栗原市、これは今、大崎・栗原医療圏ということになっておりますので、これは設置希望者の方の考えがベースだと思いますけれども、今後の交渉の中で、栗原市のみならず、大崎市を含めるという考え方、これは可能性としてはいかがでしょうか。
○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。
○知事(村井嘉浩君) 
これは大学が考えることでありますけれども、栗原の患者さん以外は来てはいけないということは全くなくて、当然、登米の患者さん、気仙沼の患者さん、南三陸、石巻、皆さん対象になるというふうに思います。また、一関もその中に含まれていくというふうに思っておりまして、そういった意味では、扇のかなめになるような形になっていくのではないかというふうに思います。もちろん、福祉大学が決まればということになりますけれども、もし福祉大学に決まれば、そのような形になると。当然、大崎も入ります。また、大崎市民病院、まもなく新しくスタートしますけれども、関連病院になったり、あるいは登米の病院等が協力病院や関連病院ということで、学生の研修先ということになることも十分可能性としてはあるのではないかというふうに思っております。
○議長(安藤俊威君) 56番相沢光哉君。
○56番(相沢光哉君)
 県立循環器・呼吸器病センターというかかわりが出てくるということで伺うわけですが、国の新医学部に対する補助金というのは、学生が卒業して社会に出て行く段階になって初めて補助金のいろいろな助成が始まると。こういうことなので、それまでの間、県が今申し上げましたように、県立病院が付属病院化していくというかかわりが生ずるとすれば、やはりその間の相当額の財政支援というものを求められると思いますが、そういうことに関しての、たとえば予算額の想定等での試算というものは今されているんでしょうか。
○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。
○知事(村井嘉浩君)
 そういった試算はこれからということになります、ただ、循環器・呼吸器病センターは相当赤字が出ているところでございまして、県立、4つ病院ございますけれども、子供病院も含めて4つございますが、その中でも非常に赤字の多い病院ということになります。それを大学付属病院の方に病床数を移すということになりますので、そういったときにどういう対応ができるかということを、県としてもよく検討していかなければならないというふうに思っております。
○議長(安藤俊威君) 56番相沢光哉君。
○56番(相沢光哉君)
 防潮堤に関して再質問させていただきます。
知事は一人の命も失わないようにしていくと大変強い思いで防潮堤計画を立てられているということを再三おっしゃっています。しかし、この現実の整備というのはL1対象ですから、おおむね百年に一回の津波。しかし、今回の3年前の東日本大震災はL2の状態でありますから、一人の命も失わないようにするということで、論理的に言えば、L2対応の対策を講じて初めてそれは言える話なんですね。要するに、L1ではどう考えてもすべての命をこの津波という大災害から救うということにはならない。そうして見た場合に、もうそこに前提としての、要するに論理的な矛盾があると私は思ってます。ですから、地域の方々を説得するときに、住民の命を一人でもなくさないようにしていくための計画なんだという言葉自体が、私は、やはり再考しなければならない論旨であるということから言うと、命も助けることは助ける、そのための最大の努力はするけれども、もっとほかの方法も加味して現実に対応していくということの方が、私は、県知事としてのあるべき考え方あるいは対応ではないかとこう思いますが、いかがでしょうか。
○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。
○知事(村井嘉浩君)
 正確に言えば、相沢議員の言うとおりです。防潮堤で何もかもすべてL2の津波対応ができるということはありません。今回はあくまでもL1は守れるような防潮堤にすると言うことで、六百年から千年に一度来るというような津波に対しては、これは今回の防潮堤では守り切れないと言うことです。ただ、この間、新聞にも出てましたけれども、研究者の発表によると、だいたい宮城県は57年に一回ぐらいは人災のある津波に見舞われていると言うことで、私が生まれる直前でしたけれども、5月ですから、私が生まれる直前ですが、私の生まれた年に、1960年に、チリ地震津波で50人弱の宮城県民が津波で亡くなっています。そして、今回の津波です。もしかしたら、我々の生きている間にもう一回大きな津波が来るかもしれない。次は南海トラフだと言われていますが、私は、南海トラフの前にもう一回宮城県に津波が来ることだって十分考えられるんじゃないかなというふうに思ってます。ですから、そういった対応というものはしっかりしていかなければいけない。出来ることを、やれる限りのこと、今の技術でやれることを精一杯やらなければならないというふうに思っているということであります。もちろん、防潮堤をつくれば、あとは何もしなくてもいいということでなくて、当然、避難タワーを作ったり、あるいは避難路を作ったり、まちづくりをしっかり考えていきたいというふうには思っております。
今回は3月11日、肌寒い日で、雪が舞い散ってましたけれども、しかし、そうはいっても3月11日の春先で、そして、明るい日差しが差している時間帯でありました。これがこの間のような大雪で、真夜中で、大雪がしんしんと降っていて停電となって、サイレンが鳴っても情報が伝わらないと、テレビが見れないといったときに、体の不自由な方や、あるいはお年を召された方、小さな赤ちゃん、こういった人たちが避難できなくて津波に飲み込まれて死ぬということは、これはやはりどうしても避けたいという思いがございまして、今回このような形でお話をさしていただいていることでございます。どうかご理解をいただきたいと思います。
○議長(安藤俊威君) 56番相沢光哉君。
○56番(相沢光哉君)
 大自然災害に対する備えとして、人工構造物でそれを100%防ぐと言うことは、私は、土台できないことだと思います。今の知事の答弁の中でも、そういうことを十分に考えた上での提案だというニュアンスはございましたけれども、要するに、県民が今受け止めているのは、知事は堤防の高さに大変こだわるために、地域住民の生活や水産業や環境やあるいは生態系に対する影響やらが大変軽視されているというふうに受け取ってるわけで、この点、たとえば気仙沼内湾地区で今度フラップゲートを含めた対応としての4.1プラス余裕高1メートルですか、5メートルということでのことで合意ができたと考えておりますけれども、これなども基本的には知事が今まで提案してきたことから、ある程度柔軟な姿勢に変わってきた一つの事例として受けとめていいんでしょうか。
○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。
○知事(村井嘉浩君)
 私は、最初からきわめて柔軟なんです。ただ、譲れない部分があると言うことです。譲れない部分というのは、L1の津波に耐えられる、人が守るべきものがある、特に人が住んでいるようなところはL1の津波に耐えられるような防潮堤を作って、プラス余裕高1メートルをつくると。これは絶対に譲れませんよと。したがって、位置であったり、つくり方の工夫は、これは柔軟に対応するということで、それはもう最初から、ずっと同じようなお話をさしていただいています。そして、それを話し合って、いろんな提案をしてやっと一つ一つ合意に至っていっているということで、残された部分はあと数カ所でございますので、最後まで全力を尽くしたいというふうに思います。
○議長(安藤俊威君) 56番相沢光哉君。
○56番(相沢光哉君)
 とても最初から柔軟ですという印象では私はないんですね。ですから、どうもかたくなな部分が知事にある。国の方に聞きましても、心配して、知事にいろいろ尋ねると、いや、反対している方はごく一部の方ですというふうなお答えになっているようにも漏れ伝わってきますので、それはちょっと違うんじゃないかな、とこう思っております。
 それで堤防のあり方については、いろいろな事例があるんですけれども、ご承知のように、仙台湾南部海岸で緑の防潮堤のいわば試験施工的な対応をしております。このことについては、現状、もう一年ないし二年経過しているわけでありますけども、例えば、千年希望の丘、あるいは仙台湾南部海岸での植栽をした樹木の生育状況というものは、県の方としては、直接の事業対象ではないんですけれども、確認しているかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。
○知事(村井嘉浩君)
 職員が確認はさしていただいております。千年希望の丘におきましても、南部海岸につきましても、宮脇さんがおっしゃったように、タブノキ、シカカシ、マサキ、シロダモ、ヤツデ、こういったようなものを植栽しております。
○議長(安藤俊威君) 56番相沢光哉君。
○56番(相沢光哉君)
 最後に、知事、その南部海岸あるいは千年希望の丘、植栽をした現場は、知事ご自身ではごらんになってますか。
○議長(安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。
○知事(村井嘉浩君)
 視察はいたしました。千年希望の丘につきましては非常に順調にいってるなと思っておりますが、南部海岸の堤防につきましては、苗木が潮風に当たって枯れてはいけないということで、腫れ物に触るように、高さ2メートル延長100メートルの立ち入り防止さく、防風ネットが設けられております。私は、宮脇先生から聞いたところによると、そう言ったようなものが一必要なくて、寒風吹きすさぶ中ですくすく育つものだと聞いていたので、やや違和感は持ちましたけれども、しかし、そのような状況の中でちゃんと伸びているということでございます。
○議長(安藤俊威君) 暫時休憩いたします。
午前11時47分休憩

相沢みつや連合後援会 事務所 連絡先